半導体製造プロセス向けガス精製装置の新棟を建設、生産能力1.6倍に強化工場ニュース

日本パイオニクスは、神奈川県の平塚工場内に、半導体製造プロセスで用いるガス精製装置の製作棟を建設する。新棟の建設により、生産能力は現行比1.6倍になる見込みで、大型ガス精製装置の需要増に対応する。

» 2021年11月10日 11時00分 公開
[MONOist]

 エア・ウォーターは2021年10月15日、グループ会社の日本パイオニクスが、神奈川県の平塚工場内に、ガス精製装置の製作棟を建設すると発表した。製作設備を含む投資額は約4億円で、着工は2022年4月、完工は同年11月を予定している。

 半導体の製造工程では、用途に応じた材料ガスやキャリアガスが使用される。ガス精製装置は、そうしたガスに含まれる不純物を除去して高純度にする役割を担う。

 日本パイオニクスは、創業時の特許技術となるパラジウム合金膜透過式水素精製装置をはじめ、精製ガス種や除去不純物に応じた各精製方式、小流量から大流量に対応した幅広い製品を提供している。また、半導体の製造工程で発生する各種排ガスの処理装置や、同装置で使う有害ガスの除害剤、除去触媒の製造販売事業も手掛ける。

キャプション ガス精製装置(左:標準流量タイプ、右:大流量タイプ)[クリックで拡大] 出所:エア・ウォーター

 現在、世界的に半導体工場の新設や拡張が相次ぎ、同時に製造設備の大型化も進んでいる。これにより大型のガス精製装置の需要も高まっているという。

 新棟は鉄骨造の平屋建てで、延床面積は820m2。この新棟の稼働により、生産能力は現行比1.6倍になる見込だ。今後、より効率的な装置の生産体制を構築することで、需要増に対応していく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.