半導体製造プロセス向けガス精製装置の新棟を建設、生産能力1.6倍に強化 : 工場ニュース
日本パイオニクスは、神奈川県の平塚工場内に、半導体製造プロセスで用いるガス精製装置の製作棟を建設する。新棟の建設により、生産能力は現行比1.6倍になる見込みで、大型ガス精製装置の需要増に対応する。
エア・ウォーターは2021年10月15日、グループ会社の日本パイオニクスが、神奈川県の平塚工場内に、ガス精製装置の製作棟を建設すると発表した。製作設備を含む投資額は約4億円で、着工は2022年4月、完工は同年11月を予定している。
半導体の製造工程では、用途に応じた材料ガスやキャリアガスが使用される。ガス精製装置は、そうしたガスに含まれる不純物を除去して高純度にする役割を担う。
日本パイオニクスは、創業時の特許技術となるパラジウム合金膜透過式水素精製装置をはじめ、精製ガス種や除去不純物に応じた各精製方式、小流量から大流量に対応した幅広い製品を提供している。また、半導体の製造工程で発生する各種排ガスの処理装置や、同装置で使う有害ガスの除害剤、除去触媒の製造販売事業も手掛ける。
ガス精製装置(左:標準流量タイプ、右:大流量タイプ)[クリックで拡大] 出所:エア・ウォーター
現在、世界的に半導体工場の新設や拡張が相次ぎ、同時に製造設備の大型化も進んでいる。これにより大型のガス精製装置の需要も高まっているという。
新棟は鉄骨造の平屋建てで、延床面積は820m2 。この新棟の稼働により、生産能力は現行比1.6倍になる見込だ。今後、より効率的な装置の生産体制を構築することで、需要増に対応していく。
深刻化する半導体不足、納期が1年以上、価格が20〜30倍に跳ね上がるものも
半導体や電子部品の通販Webサイトなどを手掛けるコアスタッフは2021年6月30日、不足が叫ばれている半導体に関する考察と、これらの状況に対する同社の取り組みについて発表した。
半導体露光機で日系メーカーはなぜASMLに敗れたのか
法政大学イノベーション・マネジメント研究センターのシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」では、日本における電子半導体産業の未来を考えるシンポジウム「海外のジャイアントに学ぶビジネス・エコシステム」を開催。半導体露光機業界で日系企業がオランダのASMLに敗れた背景や理由について解説した。
ナノスケールのちりの影響を抑制、半導体製造装置が目指すIoT活用
「SEMICON Japan 2016」のIoTイノベーションフォーラムで登壇した東京エレクトロン執行役員の西垣寿彦氏は、半導体製造における“ちり”の管理と、IoTを使った生産性向上の取り組みについて紹介した。
72台の装置を半日で稼働、日本発「ミニマルファブ」が変える革新型モノづくり
産総研コンソーシアム ファブシステム研究会などは「SEMICON Japan 2016」で、「ミニマルファブの開発成果を発表。同研究会などが推進するミニマル生産方式による製造装置「ミニマルシリーズ」72台を設置し、半導体製造工程のほとんどをカバーできるようになった成果をアピールした。
半導体不足の遠因となった、旭化成の半導体工場火災で起こったこと
旭化成は2021年9月14日、2020年10月に起きた宮崎県延岡市の旭化成エレクトロニクス 半導体製造工場の火災について事故調査報告書をまとめたと発表した。建屋棟の損傷が激しく火災原因の特定には至らなかったが、発火場所の推定と、再発防止策などの調査結果を公開している。
自動車のサプライチェーン混乱、稼働調整した2020年8月を大きく下回る
半導体不足や東南アジアのロックダウンなど、世界的なサプライチェーンの混乱による自動車生産への影響が本格化してきた。日系乗用車メーカー8社合計の2021年8月のグローバル生産台数は前年同月から17.4%減少し、7月の同2.6%減から大幅に悪化した。台数ボリュームの大きな大手3社が軒並み2桁パーセント減らすなど、部品供給難の深刻さが伺える結果となった。
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