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» 2021年10月25日 06時00分 公開

自動車のサプライチェーン混乱、稼働調整した2020年8月を大きく下回る自動車メーカー生産動向(1/3 ページ)

半導体不足や東南アジアのロックダウンなど、世界的なサプライチェーンの混乱による自動車生産への影響が本格化してきた。日系乗用車メーカー8社合計の2021年8月のグローバル生産台数は前年同月から17.4%減少し、7月の同2.6%減から大幅に悪化した。台数ボリュームの大きな大手3社が軒並み2桁パーセント減らすなど、部品供給難の深刻さが伺える結果となった。

[MONOist]

 半導体不足や東南アジアのロックダウンなど、世界的なサプライチェーンの混乱による自動車生産への影響が本格化してきた。日系乗用車メーカー8社合計の2021年8月のグローバル生産台数は前年同月から17.4%減少し、7月の同2.6%減から大幅に悪化した。台数ボリュームの大きな大手3社が軒並み2桁パーセント減らすなど、部品供給難の深刻さが伺える結果となった。

 9月以降も、トヨタ自動車をはじめ各社がさらに大規模な減産に踏み切っており、車両の供給不足による販売面への影響の他、部品メーカーも製品の供給を調整せざるを得ない事態に発展しており、自動車産業全体へのダメージは一層広がることが予想される。

2021年8月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 185,726 345,722 151,646 83,415 531,448
▲ 8.4 ▲ 19.9 ▲ 14.6 ▲ 30.3 ▲ 16.2
ホンダ 23,790 250,566 110,722 87,553 274,356
▲ 44.1 ▲ 27.8 ▲ 28.7 ▲ 38.1 ▲ 29.6
日産 37,404 226,942 70,125 99,228 264,346
18.1 ▲ 16.9 ▲ 27.4 ▲ 17.4 ▲ 13.3
スズキ 56,112 139,396 - - 195,508
▲ 20.7 0.2 - - ▲ 6.8
ダイハツ 49,194 48,585 - - 97,779
▲ 25.5 23.5 - - ▲ 7.2
三菱 30,568 45,771 - 15 76,339
59.9 71.0 - ▲ 99.7 66.4
スバル 37,527 20,023 20,023 - 57,550
▲ 10.8 ▲ 47.1 ▲ 47.1 - ▲ 28.0
マツダ 28,113 17,974 7,369 7,956 46,087
▲ 53.7 ▲ 53.4 ▲ 49.1 ▲ 59.8 ▲ 53.6
合計 448,434 1,094,979 359,885 278,167 1,543,413
▲ 16.3 ▲ 17.9 ▲ 74.7 ▲ 68.4 ▲ 17.4
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

 8月の8社合計のグローバル生産台数は154万3413台と、2カ月連続で前年実績を下回った。半導体不足に加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大によりベトナムとマレーシアでロックダウンが実施された結果、東南アジアから世界各国への部品供給が滞る事態に発展。その結果、コロナ禍で稼働調整していた2020年8月を大きく割り込んだ。内訳は国内生産が前年同月比16.3%減と6カ月ぶりのマイナス。海外生産は同17.9%減と2カ月連続で減少し、前年はすでに生産の回復が始まっていた主力市場の北米や中国での大幅減が響いた。

トヨタの海外生産は12カ月ぶりにマイナス

 メーカー別に見ると、トヨタの8月のグローバル生産台数は、前年同月比16.2%減の53万1448台と、2020年8月以来12カ月ぶりに前年実績を下回った。これまで半導体不足の影響を最小限に抑え、コロナ禍からの回復需要で着実に生産を増やしていたトヨタだが、東南アジアに端を発するサプライチェーンの混乱で減産を余儀なくされる格好となった。なお、販売自体は好調で、グローバル販売台数は12カ月連続プラスを確保した。ただ、国内販売でも納期が長期化しており、9月以降は世界的な生産調整による影響は避けられない見通しだ。

 特に影響が大きく出たのが海外生産で、前年同月比19.9%減の34万5722台と12カ月ぶりにマイナスへ転じた。地域別では、主力市場の北米は「RAV4」のハイブリッド車(HEV)などの販売が堅調なものの、東南アジアからの部品供給不足の影響により同14.6%減と2カ月連続で前年実績を下回った。特にカナダは同39.0%減と大きく減らした。

 中国も北米同様に東南アジアからの部品供給が滞った影響で前年同月比30.3%減と2カ月ぶりのマイナス。インドネシアは前年のロックダウンに対する反動増で同3.8倍と大きく伸長したが、アジア各国でCOVID-19の感染拡大が広がったことで、タイが同57.0%減、マレーシアが同41.2%減、フィリピンが同23.0%減、ベトナムが同78.5%減と軒並み大幅に減少。その結果、アジアトータルでは同21.4%減と12カ月ぶりの前年割れとなった。欧州も東南アジアからの部品供給が滞った結果、同61.9%減と低迷した。

 国内生産もサプライチェーンの影響を避けられず、前年同月比8.4%減の18万5726台と6カ月ぶりに前年実績を下回った。国内市場向け「ヤリス」などの受注が好調なものの、車両供給が追い付かない状況となっており、納期が長期化している。

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