自動車のサプライチェーン混乱、稼働調整した2020年8月を大きく下回る自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

» 2021年10月25日 06時00分 公開
[MONOist]

ホンダの人気グレードは納期1年以上に

 ホンダの8月のグローバル生産台数は、前年同月比29.6%減の27万4356台と3カ月連続のマイナスとなった。海外生産は、同27.8%減の25万566台と3カ月連続で減少。東南アジアでの感染拡大による部品供給難や半導体不足が大きく響いた。主力市場の北米は同28.7%減と3カ月連続のマイナス。中国は半導体不足の影響に加えて、武漢工場が都市封鎖により生産を一時停止。その結果、同38.1%減と4カ月連続で減少し、北米の生産台数を下回った。中国を含むアジアトータルでも同27.6%減と低迷し、3カ月連続のマイナスとなった。

 国内生産はさらに深刻で、前年同月比44.1%減の2万3790台にとどまり、3カ月ぶりにマイナスへ転じた。半導体不足や東南アジアからの部品供給の影響で、「N-BOX」や「フィット」「ヴェゼル」などを生産する鈴鹿製作所では8月前半の稼働を停止。その結果、ホンダは8月と9月合計の生産台数が当初計画の4割にとどまると発表している。このため受注が好調な新型ヴェゼルでは、人気のHEVモデルなど一部グレードの納期が1年以上に長期化。10月以降も稼働調整を実施しているため、ヴェゼルの上級グレード「PLaY」の受注を一時停止する事態に発展している。

日産は減少幅小さい、国内生産は本格回復とはいえず

 日産の8月のグローバル生産は、前年同月比13.3%減の26万4346台と2カ月連続で前年実績を下回った。低迷したのが海外生産で、同16.9%減の22万6942台と2カ月連続のマイナス。国別では米国が同39.8%減と大きく減少。メキシコも同19.2%減で、北米トータルでは同27.4%減と2カ月連続のマイナス。中国も同17.4%減で5カ月連続の前年割れだったが、減少幅は日系メーカーの中では最も小さく済んだ。

 一方、国内生産は前年同月比18.1%増の3万7404台と7カ月連続のプラス。国内市場向け「ノート」が好調に推移している。ただ、コロナ禍前の2019年8月との比較では約4割減と本格回復とは言い難い状況が続いている。

スズキはインドネシアとパキスタンが回復

 スズキの8月のグローバル生産は、前年同月比6.8%減の19万5508台と7カ月ぶりにマイナスへ転じた。海外生産は、グローバル生産の半数以上を担うインドが半導体不足で一時稼働を停止した影響で、同8.0%減と7カ月ぶりに減少。販売も同8.3%減と9カ月ぶりに減少した。ただ、インドネシアやパキスタンなどが回復しており、インド以外の海外生産は同66.6%増と大きな伸びを見せた。この結果、海外トータルでは同0.2%増の13万9396台と7カ月連続のプラスを確保した。なお、インドは半導体不足を理由に9月にも大規模な生産調整を実施しており、大幅なマイナスが避けられない見通しだ。

 国内生産は、前年同月比20.7%減の5万6112台と3カ月連続で減少した。半導体不足の影響が続いており、8月も稼働の一部停止を余儀なくされた。車両の供給不足により国内販売や輸出も前年比2桁パーセント減だった。9月は半導体不足に加えて東南アジアからの部品供給の影響による生産停止も実施しており、厳しい状況はしばらく続きそうだ。

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