そり量を15〜20%低減、実装信頼性の高いプリント配線板用高機能積層材料FAニュース

昭和電工マテリアルズは、実装信頼性に優れたプリント配線板用高機能積層材料「MCL-E-795G」シリーズの量産を開始する。実装時のそり量を従来より15〜20%低減し、高い耐熱特性と絶縁信頼性、難燃性を有する。

» 2021年10月27日 07時00分 公開
[MONOist]

 昭和電工マテリアルズは2021年10月6日、低そり性や高耐熱性など、優れた実装信頼性を備えるプリント配線板用高機能積層材料「MCL-E-795G」シリーズを発表した。同月より量産を開始する。

 データセンター用の大型サーバやHPC(High performance computing)では、膨大なデータを高速処理するために半導体パッケージを高密度で搭載する必要がある。そのため、半導体パッケージに用いるプリント配線板にも高い実装信頼性が求められている。

 MCL-E-795Gシリーズは、熱膨張の少ない樹脂を採用し、樹脂内のフィラー充填量を増加することで、実装時のそり量を従来品の「MCL-E-705G」と比較して15〜20%低減している。低熱膨張ガラスクロスを組み合わせたLHタイプでは、さらに20%の低そり化が可能だ。

 また、骨格部の構造に熱衝撃や外部応力に強い樹脂を導入し、耐熱性と絶縁信頼性を高めた。製造プロセスにおける歩留まりの向上にも寄与する。

 さらに、半導体パッケージ基板の安全性がより高まるよう、難燃性樹脂を組み合わせて、難燃グレードであるUL-94規格のV-0、VTM-0認定を取得している。

 同社の半導体パッケージ基板用途におけるプリント配線板用積層材料は、金額ベースで世界シェア1位となっている(2020年度)。同社は今後も、シミュレーション技術や実装基板評価技術を活用して新製品の開発を進め、プリント配線板のさらなる高機能化を目指す。

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