日立金属は、高温強度に優れたダイカスト金型用鋼「DAC-X」を開発し、本格量産を開始した。ダイカスト鋳造工程におけるトータルコスト低減などに貢献する。
日立金属は2021年10月1日、高温強度に優れたダイカスト金型用鋼「DAC-X(ディーエーシー エックス)」を開発し、本格量産を開始したと発表した。熱負荷の高い用途で特性を発揮し、ダイカスト鋳造工程のトータルコスト低減などに貢献する。
2018年に島根県安来市の安来工場に導入した1万トン級自由鍛造プレスを活用し、DAC-Xを開発。高温強度を引き出す合金設計に鋼種独自の組織制御プロセスを組み合わせることで、高温強度と靭性を兼ね備えた。
熱負荷の高い用途で耐ヒートクラック性に優れており、金型寿命の延伸が可能だ。また、金型への補修工数を低減するほか、ダイカスト製品を短時間で鋳造、成形する場合でも生産性と品質の向上に寄与する。
650℃に加熱した後、水で冷却する過程を3000サイクル繰り返す試験を行ったところ、最大クラックの深さは従来の高温強度重視鋼「DAC10」や高靭性鋼「DAC-MAGIC」の約半分となっており、耐ヒートクラック性に優れることを実証した。高い高温強度により初期クラックの発生を抑制するとともに、靭性を改善しているため、クラックの進展を抑制する。
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