新光電気工業は、高性能半導体向けフリップチップタイプパッケージとセラミック静電チャックの生産能力を増強するため、設備投資を決定した。今後、拡大が想定される半導体市場に向けて、設備投資を重点的に展開していく。
新光電気工業は2021年10月4日、高性能半導体向けフリップチップタイプパッケージとセラミック静電チャックの生産能力を増強するため、設備投資を決定したと発表した。
半導体の高機能化や省電力対応への要求の高まりに伴い、高性能半導体に使われるフリップチップタイプパッケージは、今後も需要増が続くと見込まれる。
これまで同社は、長野県長野市の更北工場と若穂工場、中野市の高丘工場において、フリップチップタイプパッケージの生産体制を強化してきた。今回、更北工場と若穂工場の生産能力をさらに増強し、3工場に次ぐ新たな拠点を開設する。
既存工場の強化と新工場の建設には、2022~2025年度にかけて1400億円を投資し、フリップチップタイプパッケージの生産能力を現行比で約50%増強する。また、長野県千曲市に建設予定の新工場は、2023年度までに建設を開始し、2024年度以降順次稼働する。
さらに、半導体製造装置の基幹部品であるセラミック静電チャックも、需要増が見込まれるため、高丘工場内に新棟を建設して生産能力を増強する。2021~2023年度に180億円を投資し、生産能力を現行比で約2倍増強する。新棟は2021年12月に着工し、2023年3月に竣工、2023年度下期に稼働を開始する予定だ。
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、5Gの普及が加速し、幅広い分野で半導体の用途が広がっている。半導体市場は今後さらなる拡大が想定されることから、同社は成長市場へ向けた設備投資を重点的に展開し、価値の高い製品とサービスを提供していく。
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