パテント・リザルトは2021年7月5日、自動車部品メーカーを対象とした、「特許要件を満たさない特許出願」への拒絶理由として引用された特許件数の2020年版ランキングを公開した。
パテント・リザルトは2021年7月5日、自動車部品メーカーを対象とした、「特許要件を満たさない特許出願」への拒絶理由として引用された特許件数の2020年版ランキングを公開した。同社は拒絶理由における被引用件数を「他社けん制力」と定義して、他社の特許出願において阻害要因となる先行技術を多く保有する先進的な企業と評価している。
ランキングは、特許庁が2020年12月までに公開した特許について、2020年1月〜12月末までに拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された回数をカウントして集計した。
ランキングの1位はデンソー(5081件)、2位はアイシン(1744件)、3位は日立アステモ(1123件)だった。4位以下は住友電装(1011件)、矢崎総業(919件)、ジェイテクト(704件)、豊田合成(516件)、SOKEN(432件)、ROBERT BOSCH(ボッシュ、403件)、マレリ(388件)と続く。
デンソーの特許で最も引用されたものは「ゲート絶縁膜が破壊されることを防止しつつ、オン抵抗上昇を抑制できるSiC半導体装置」(※)に関する技術だった。富士電機など計11件の審査過程で引用されている。この他、「走行軌道生成プログラム」に関する特許が、ROBERT BOSCHによる「自動車線変更中の横方向位置偏差の低減」など計7件の特許出願で拒絶理由として引用された。
※トヨタ自動車、豊田中央研究所と共同出願
デンソーの特許に影響を受けた企業は、件数順に見るとトヨタ自動車(285件)、三菱電機(240件)、日立Astemo(213件)となっている。
アイシンの特許で最も引用されたものは「路面状況に応じた運転支援を行う装置」に関する技術で計4件だった。「交流の回転電機を制御する回転電機制御装置」に関する特許も、コニカミノルタの特許出願など計4件で拒絶理由として引用されている。アイシンの特許に影響を受けた企業は、件数順に見るとトヨタ自動車(111件)、本田技研工業(90件)、デンソー(69件)であった。
日立Astemoで最も引用されたものは「走行環境の影響で発生する精度低下を抑制する車両位置推定システム」技術で、計7件の審査過程で拒絶理由として引用されている。日立Astemoの特許で影響を受けた企業は、デンソー(97件)、次いでトヨタ自動車(74件)、三菱電機(57件)となっている。
この他、住友電装は「電源装置と電気ボックスを接続する電源線のサイズダウン技術」が、矢崎総業は「輸送時等の搬送性を高めると共に、車種ごとに設定された外装形状を容易に得られ、コストを低減できる車両ケーブル用外装部材」が被引用件数の多い特許としてそれぞれ挙げられている。
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