東京大学は、太陽光で駆動する、柔軟な皮膚貼り付け型光脈波センサーを開発した。大気安定性を高めた超薄型有機ELと有機太陽電池、有機フォトディテクタを集積したもので、太陽光で自立駆動するほか、長時間皮膚に貼り付けても装着感が少ない。
東京大学は2021年4月19日、太陽光で駆動する、柔軟な皮膚貼り付け型光脈波センサーを開発したと発表した。同大学大学院工学系研究科 教授の染谷隆夫氏をはじめとする研究グループによる成果だ。
同光脈波センサーは、開発した超薄型の有機ELを有機太陽電池、有機フォトディテクタとともに集積したもので、外部電源がなくても太陽光で自立駆動する。
超薄型有機ELの開発では、大気安定性を高めるために、電子注入層にドープされたポリエチレンイミン層を導入し、透明電極と組み合わせた逆型構造を採用した。この逆型構造有機ELは、11.7時間の連続駆動後も、従来品の約3倍の値に相当する初期輝度の70%を保つ大気安定性を示した。
次に、逆型構造有機EL、有機太陽電池、有機フォトディテクタを集積し、太陽光で発電して自立駆動するセンサーを作製した。3つの素子はそれぞれが超薄型かつ柔軟であるため、長時間皮膚に貼り付けても装着感が少ない。開発したセンサーを人の皮膚に貼り付けて測定したところ、脈拍77bpmの脈波計測に成功した。
超薄型で柔軟な有機ELは、ウェアラブルデバイスの光源として注目されている。しかし、十分な大気駆動安定性を持たないため、連続駆動が可能な皮膚貼り付け型の光脈波センサーには応用されていなかった。
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