長瀬産業は、同社とIBMが共同開発した新材料探索SaaS型プラットフォーム「TABRASA」を三洋化成工業に提供する。TABRASAの導入により、三洋化成工業は各研究部が保有する技術情報の横断利用や、データを活用した研究開発が可能になる。
長瀬産業は2020年12月1日、同社がIBMと共同開発した新材料探索SaaS型プラットフォーム「TABRASA(タブラサ)」を三洋化成工業に提供すると発表した。
TABRASAは、IBMが開発した技術を長瀬産業がマテリアルズ・インフォマティクス(MI)用ソフトウェアサービスとして製品化したもので、同年11月にサービス提供を開始した。三洋化成工業への提供が、TABRASAの初の導入事例となる。
TABRASAは、「アナリティクス」と「コグニティブ」の、2つの異なるエンジンで素材を探索できる。
アナリティクスは、AI(人工知能)に機械学習させた物質の分子構造や物性値データから新素材の化学構造式を導く。コグニティブは、IBMリサーチ・コグニティブ・ディスカバリー技術を用いて、論文や技術資料などから言語処理やデータ構造化を実行し、新しい知識を出力する。導入は、2つのうち、どちらか1つだけでもよく、三洋化成工業はコグニティブを導入する。
三洋化成工業は、現在、エネルギーエレクトロニクス分野、バイオメディカル分野、化粧品分野での開発に力を注いでいる。TABRASAの導入で、各研究部が保有する技術情報の横断利用や、MIによるデータを活用した研究開発が可能になることから、製品開発の効率化が期待される。
長瀬産業は、TABRASAの提供を通じて、ビジネスパートナーがまだ気づいていない価値を見つけて課題解決につなげる、新たなビジネスモデルを創出していく。
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