DMG森精機は、ドイツのフロンテン工場に新設した「monoBLOCK エクセレンスファクトリー」の稼働を開始した。自動化、デジタル化を取り入れ、5軸制御マシニングセンタ「monoBLOCK」シリーズの生産工程を革新した。
DMG森精機は2020年10月19日、ドイツ、バイエルン州のフロンテン工場に新設した「monoBLOCK エクセレンスファクトリー」の稼働を開始したと発表した。広さ4000m2の新工場では、5軸制御マシニングセンタ「monoBLOCK」シリーズなどを生産する。
自動化とデジタル化のモデル工場となる新工場には、AGV(無人搬送車)によるライン生産を導入。分速45m/分で次のステーションへ機械を自動で移動でき、リモートコントロールの操縦にも対応する。
monoBLOCKシリーズのライン生産では、組み立てから基本精度、カバー取り付け、品質検査まで全34工程を実施する。AGVによるライン生産の導入により、1台あたりの生産リードタイムが10日から7日に短縮。生産性を30%向上したことで、年間生産能力は従来の600台から1000台に拡大した。
また、アプリケーション作成プラットフォーム「TULIP(チューリップ)」の導入により、生産のデジタル化を促進。プログラミングの専門知識は不要で、現場作業者が素早くかつ直感的に、作業手順書や検査、品質管理、機器モニタリングなど独自のアプリケーションを作成できる。加工機や計測機器、既存システムなどとも連携可能だ。
作業指示は、図面や写真、動画を用いて行われ、組み立てや品質管理などの複雑な工程を効率化して人的ミスを排除する。さらに、作業実績や機器の稼働状況などバリューチェーン全体の情報をリアルタイムに可視化することで、断続的な工程改善に貢献する。
DMG森精機がインドでの現地生産を開始、立形マシニングセンタを製造
「DMG森精機は中小製造業へのIoTプロバイダーになる」森社長
ローカル5Gで自律走行型ロボットを遠隔操作、DMG森精機とNTT Comが実証実験
スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Factory Automationの記事ランキング
コーナーリンク