ダイキン工業は、サウジアラビアで大型業務用空調機器「チラー」を生産する新工場の建設を開始した。「市場最寄化戦略」の強化と製品ラインアップの拡大を図り、中東地域で拡大する冷却需要に対応する。
ダイキン工業は2025年11月27日、サウジアラビア西部のジェッダ近郊に建設する空調機器の新工場について、同月26日(現地時間)に起工式を実施したと発表した。
同社は2022年にリヤド近郊に工場を設立しており、新たに建設する拠点はサウジアラビアで2拠点目となる。新工場では、サウジアラビアや中東地域に供給する大型業務用空調機器「チラー」の生産を強化し、都市開発やデータセンター建設が進む中、冷却ニーズが高まる市場への供給体制を整える。
また、新工場では同社独自の生産方式「PDS(Production of Daikin System)」を全面採用し、リーン生産方式や厳しい品質管理、継続的なカイゼンを組み合わせて信頼性の高い製品を生産する。製品品質と省エネ性能を確認できる試験ラボや顧客立会い試験設備も備えている。
同社は、新工場を中東地域における成長戦略の要として位置付け、市場に近い場所で生産、販売する「市場最寄化戦略」を強化するほか、需要に応じて製品ラインアップを拡大していく。
さらに、中東の厳しい気候に対応する信頼性の高い製品づくりを追求し、同地域の大型開発プロジェクトで高まる省エネ型インフラ需要にも応えていく。サウジアラビア政府が掲げる「Vision 2030」で示された持続可能性や産業発展への貢献も目指す。
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