「Jetson Nano」に廉価版、ラズパイ4の4GB版とほぼ同額に : 人工知能ニュース
NVIDIAは、オンライン開催の年次カンファンレンス「GTC 2020」(開催期間:2020年10月5〜9日)の開幕に合わせて、エッジAIボードの新製品となる「Jetson Nano 2GB」を発表した。
NVIDIAは2020年10月5日(現地時間)、オンライン開催の年次カンファンレンス「GTC 2020」(開催期間:同年10月5〜9日)の開幕に合わせて、エッジAI(人工知能)ボードの新製品となる「Jetson Nano 2GB」を発表した。
Jetson Nano 2GBは、2019年3月開催の「GTC 2019」で発表された「Jetson Nano」の廉価版にあたる。Jetson Nanoは、開発者キットの価格が99米ドル、メモリ容量4GBであるのに対して、Jetson Nano 2GBは、メモリ容量を2GBに削減する一方で、開発者キットの価格を約4割減の59米ドルに抑え、エッジAIをより安価に試せるようにした製品だ。「AIとロボット工学の可能性を新世代の学生、教育者、愛好家に開放する」(NVIDIA)としている。
「Jetson Nano 2GB」の開発者キット(クリックで拡大) 出典:NVIDIA
なお、Jetson Nano 2GBの開発者キットは、Jetson Nanoの開発者キットと比べて、USBインタフェースが4つから3つ、カメラインタフェースが2つから1つに削減されている。ソフトウェア開発キット(SDK)は、「NVIDIA JetPack SDK」を利用可能であり、開発したAIアプリケーションは、最も高性能の「Jetson Xavier NX」を含めた「Jetsonシリーズ」でスケーラブルに展開できる。
Jetson Nano 2GBの開発者キットは、2020年10月末にNVIDIAの各国の販売網を通じて発売される予定だ。
「Jetson Nano 2GB」開発者キットのパッケージ(クリックで拡大) 出典:NVIDIA
Jetson Nano 2GBは、Jetson Nano以上に“受け入れ可能な価格”を意識して開発されたJetsonシリーズのラインアップだ。さまざまな入出力インタフェースを備える開発者キットの価格は59米ドルであり、これはシングルボードコンピュータとして広く利用されている「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」のメモリ容量4GBモデル版の55米ドルとほぼ同等である。
なお、Jetsonシリーズの廉価版モデルとしては、「Jetson TX2」において当初のメモリ容量8GBを4GBに削減したモデルを投入している。1000個以上購入時の価格は、メモリ容量8GBが399米ドルであるのに対し、同4GBは299米ドルに設定されている。
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