NVIDIAは2018年12月13日、最新の組み込みAIプラットフォームである「Jetson AGX Xavier」のモジュール供給をグローバルで開始したと発表した。1000個以上まとめて購入する場合の価格は1099米ドル(約12万4600円)。
NVIDIAは2018年12月13日、最新の組み込みAI(人工知能)プラットフォームである「Jetson AGX Xavier」のモジュール供給をグローバルで開始したと発表した。Jetson AGX Xavierの開発キットは同年8月から国内販売が始まっているが、同キットで開発したAIのアルゴリズムやソフトウェアをモジュールに実装して製品を量産することも可能になる。1000個以上まとめて購入する場合の価格は1099米ドル(約12万4600円)。
Jetson AGX Xavierは、第7世代アーキテクチャ「Volta」をベースとするSoC(System on Chip)「Xavier(エグゼビア)」を中核とする。Xavierは、8つのカスタムCPUコアと512のCUDA Tensorコアを集積しており、処理能力は最大で30TOPS(1秒当たり30兆回の演算が可能)とされていた。今回発表されたモジュールの場合、深層学習(ディープラーニング)の処理能力として32DLTOPSという数字が挙げられている。一方、消費電力を、30W、15W、10Wから選択可能な点に変わりはない。
NVIDIAは、Jetson AGX XavierのAI処理能力について、RestNet-50を対象にした画像処理を例として、性能では前世代の組み込みAIモジュール「Jetson TX2」を大幅に上回り、GPUワークステーションに用いられているインテルの「Core i7」とNVIDIAのGPUボード「GTX 1070」の組み合わせをも上回るとしている。画像1枚を処理する時間と消費電力を基にした電力効率についても、先述したGPUワークステーション構成の10分の1に抑えられているという。
また、Jetson AGX Xavierのソフトウェア開発環境は、これまでNVIDIAが投入してきた組み込みAIである「Jetson TX1」やJetson TX2と同様に「JetPack」であり、ソフトウェアの再利用も可能になっている。なお、Jetson AGX Xavierに合わせてJetPackのバージョンは4.0/4.1にアップデートされている。
なお、Jetson TX2については、メモリ容量を4GBに削減して安価にした「Jetson TX2 4GB」が追加される。従来のメモリ容量が8GBのJetson TX2は「Jetson TX2 8GB」となる。Jetson TX2 4GBの1000個以上まとめて購入する場合の価格は299米ドル(約3万3900円)で、Jetson TX1と同等になるという。
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