川越氏は、5年間を予定している実証事業において解決すべき開発課題として次の項目を挙げている。
併せて、燃料電池関連技術を導入して実証する船舶も建造する。この実証事業では、船舶における水素と燃料電池の多用途展開を目指すため、実証のための船舶も商業化に向けた汎用(はんよう)性を持たせた仕様になるという。そのため、「平水用中型観光船」を実証船型として選定したと川越氏は説明している。
建造する船舶は全長は約25mで幅は約8m、総トン数は約150総トン、旅客定員は100人程度になる。全長と幅は横浜港で運航している「シーバス」と近いサイズだ。搭載する燃料電池出力は約500kW相当で、液化水素を積み込む予定だ。実証事業では、この中型観光船で検証を進めることで、499総トンクラスの内航船で使用できる燃料電池の舶用技術のめどが立つとしている。
 建造を予定している実証運航船。なお、同サイズで同じ旅客定員の「シーバス」が42〜46総トン程度たが、日本郵船では「複数階構造とすることで容積を増やす予定」と説明している(クリックして拡大) 出典:日本郵船
建造を予定している実証運航船。なお、同サイズで同じ旅客定員の「シーバス」が42〜46総トン程度たが、日本郵船では「複数階構造とすることで容積を増やす予定」と説明している(クリックして拡大) 出典:日本郵船この実証事業では、船舶のライフサイクル全てを対象とする。そのため、日本郵船をはじめとした事業参加企業は、開発、海洋法や船舶船員関連法への対応、実証船建造、燃料供給、実証運航の中からそれぞれの得意とする分野を担当することになる。
 発電所並みの燃料電池バスから「電気のバケツリレー」、トヨタとホンダで実証実験
発電所並みの燃料電池バスから「電気のバケツリレー」、トヨタとホンダで実証実験 ダイムラーとボルボがFC大型トラックで合弁、日本でも20年代末に発売
ダイムラーとボルボがFC大型トラックで合弁、日本でも20年代末に発売 「走行距離650kmは足りない」、FCVの新型ミライが目指す安心感
「走行距離650kmは足りない」、FCVの新型ミライが目指す安心感 米国向け大型燃料電池トラックに改良版、走行距離は320kmから480kmに
米国向け大型燃料電池トラックに改良版、走行距離は320kmから480kmに CO2排出ゼロの物流拠点、風力発電と燃料電池フォークリフトで実現
CO2排出ゼロの物流拠点、風力発電と燃料電池フォークリフトで実現 子ども向けに本気で作った、運転免許なしで乗れる燃料電池車
子ども向けに本気で作った、運転免許なしで乗れる燃料電池車Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
モビリティの記事ランキング
コーナーリンク