まず、形状を円形に複写する「回転パターン」だ。今回は、図22のような形状を用意しておき、小さい円の柱を回転複写する。やはり、下にある大きな円のベース形状がないと、回転複写ができない。小さな円の「Pad」(押し出し)を選び、「円状のパターン形状を作成」をクリックする(図40)。
すると、図41のようなプレビューが表示される。
パラメータウインドウの「個数」を変えると、その個数を、均等な角度で自動的に割り付けてくれる。「角度」を小さくすれば、その角度の範囲のパスで形状が配置される。「軸」もいろいろ選べるが、ここではデフォルトで選択されている「通常のスケッチ軸」以外にすると、円のベース形状から離れてしまうため、エラー(プレビューが赤くなる)になる。完成したフィーチャーは「PolarPattern」という名前でフィーチャーツリーに表示される。
同様に「ポケット」(穴)も複写できる(図42)。
さらに、直線パターンも同じ要領でできる。複写したい形状を選んだ後に、「直線状のパターン形状を作成」を選択する(図43)。
今回は、「長さ」で直線パターンの開始から終わりまでの長さを設定し、「回数」でパターンの数を定義する(図44)。設定数に応じて自動的にピッチが均等に割り振られる。「方向」は「水平スケッチ軸」(横にパターンができる)が選ばれているが、ここも変更すれば、パターンができる方向が変わる。フィーチャーツリーに表示されるフィーチャー名は「LinearPattern」である。
なお、複写パターンを丸ごと使った複写パターンはできないようだ(図45)。また、縦横の2軸を選んでの直線パターン作成は行えない。
そこで登場するのが「マルチ変換による形状を作成」だ(図46)。
まず、先ほどのPadを使って、垂直軸方向のパターンも作っておく(図47)。
何と、分かりづらいことに、パラメータウインドウで機能が隠れてしまっている……。「配置変換」のウィンドウの中を右クリックすると、図48のようなメニューが出現するので、ここでは「直線状パターンを追加」を選ぶ。
すると、このようにパターンを使った複写が行える(図49)。フィーチャー名は「MultiTransform」となる。この機能は、円と直線のパターンを複合させることもできる。
以上、今回は3D CADの定番編集コマンドであるミラー複写/反転、回転押し出し、スイープ、ロフト、回転パターン、直線パターンの機能を順に紹介した。次回は、複数の部品を組み合わせるモデリング(アセンブリ)などについて紹介する予定だ。(次回に続く)
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