富士通研究所は、カメラで撮影した映像から手洗い動作を認識するAI「行動分析技術 Actlyzer手洗い動作認識」を開発した。厚生労働省が推奨する正しい手の洗い方6ステップの実施と、各ステップで手をこすった回数を自動で認識できる。
富士通研究所は2020年5月26日、富士通研究開発中心(FRDC)と共同で、カメラで撮影した映像から手洗い動作を認識するAI(人工知能)「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)手洗い動作認識」を開発したと発表した。
富士通研究所とFRDCが独自に開発した「行動分析技術Actlyzer」に、手指の動作認識機能を拡張して開発。厚生労働省が推奨する正しい手の洗い方6ステップの実施と、各ステップで手をこすった回数を自動で認識できるようにした。
具体的には、手洗いの複雑な動作を両手の形状とこすりの反復動作の組み合わせとして捉え、両手形状認識と動き認識の2つのディープラーニングエンジンで検出する。この2つの認識エンジンによる結果を相互にフィードバックすることで、認識精度を向上させた。
人やカメラ位置、せっけんの種類など、約2000バリエーションの手洗い映像の学習と評価を実施したところ、正しい手の洗い方6ステップにおいて95%以上の平均判定精度で動作認識し、手をこすった回数の判定精度は90%以上だった。ステップごとの規定のこすり回数が実施されると完了と判定され、システム側で実施時刻などの情報と合わせて自動で記録する。
近年、細菌やウイルスの感染防止のため、手洗いの重要性が再認識されている。本技術により、食品事業所など衛生管理が必要な現場で、手洗い実施確認を自動化できる。また、ステップごとに正しい手洗いと判定されるまでは完了しないため、手洗いの教育効果や平準化効果も期待できる。
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