AIを用いた新型コロナウイルス肺炎の診断支援技術開発をスタート医療機器ニュース

富士フイルムは、AIを用いて間質性肺炎の病変を定量化する技術を応用し、新型コロナウイルス肺炎患者の経過評価、治療効果の判定を支援する技術開発を開始した。まずは、神奈川県立循環器呼吸器病センターとの共同研究から始める。

» 2020年06月01日 16時00分 公開
[MONOist]

 富士フイルムは2020年5月19日、AI(人工知能)を用いて、新型コロナウイルス肺炎患者の経過評価、治療効果の判定を支援する技術開発を開始したと発表した。京都大学と共同開発した、間質性肺炎の病変を定量化する技術を応用する。

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キャプション 開発中の新型コロナウイルス肺炎患者のCT画像および解析結果(クリックで拡大) 出典:富士フイルム

 開発した間質肺炎の定量化技術は、AIを用いて設計したソフトウェアがCT画像から7種類の肺の病変性状を識別し、自動で分類、測定して間質性肺炎の病変を定量化する。また、肺野を12領域に分割し、領域ごとに病変の容積と割合を表示するため、肺野内での病変分布と進行状態を詳細に確認できる。

 現在、新型コロナウイルスについてさまざまな治療が実施されているが、有効だったかの判断基準は明確には示されていない。肺炎の進行や治療効果の確認には、変化する病変の性状をCT画像から目視する必要があるが、1患者につき数百枚にも及ぶため、医師の負担が大きいという問題がある。

 同技術開発は、新型コロナウイルス肺炎患者を受け入れている複数の国内医療機関と共同で進める。まずは、神奈川県立循環器呼吸器病センターとの共同研究から始める予定だ。

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