短納期オプションを無償化し、医療機器のパーツ製造を支援メカ設計ニュース

プロトラブズは、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、海外で展開している医療機器の製造支援キャンペーンを活用した最新の事例集を発表した。医療機器が不足する中、短納期オプションを無償化し、医療機器パーツの製造を支援する取り組みだ。

» 2020年05月14日 13時00分 公開
[MONOist]

 プロトラブズは2020年4月24日、同社が海外で展開する医療機器の製造支援キャンペーンを活用した最新事例集を発表した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大により医療機器が不足し、フェイスマスクや保護服、人工呼吸器など医療用物資の需要が高まっている。同時に、感染拡大はサプライチェーンの混乱も招いており、生産体制を早急に見直す必要がある。

 これを受けて、同社では製造支援キャンペーンの実施を決定。一部の国を対象に、医療用物資の製造についてのみ、特急納品配送(短納期)オプションを無償化する。

 同キャンペーンを通じて、既にさまざまな企業や大学が、3Dプリンタや射出成形サービスを用いて医療用物資のパーツを開発している。今回発表された事例では、フェイスシールドのヘッドバンド部分を小ロット生産したZVerseや、人工呼吸器のバルブ部品を製造したISINNOVAが紹介されている。

キャプション ZVerseの事例 出典:プロトラブズ
キャプション ISINNOVAの事例 出典:プロトラブズ

 また、人工呼吸器を大量生産するために、複数の部品を3Dプリンタで製造したVentec Life Systemsや、再利用できる医療グレードマスクのパーツを射出成形で製造したHustco Automotiveの事例などが挙げられている。

キャプション Ventec Life Systemsの事例 出典:プロトラブズ
キャプション Hustco Automotiveの事例 出典:プロトラブズ

 短納期オプションは、ICTを駆使した同社独自のデジタルマニュファクチャリングシステムを活用し、安定した稼働状態の下で提供される。

 なお、現時点では、特急納品配送オプション、3Dプリンタを用いた製造サービスはいずれも海外向けで、日本では未対応となっている。

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