Formlabsは「TCT Japan 2020」に出展し、主力製品である「Form 3」「Form 3L」や豊富な樹脂材料による多くの造形サンプルを展示した他、3Dプリンタで出力する前の準備プロセスの改善と、出力後の活用提案などを行った。
Formlabsは、3Dプリンティング&アディティブマニュファクチャリング(AM)に関する総合展示会「TCT Japan 2020」(会期:2020年1月29〜31日、場所:東京ビッグサイト)に出展し、主力製品である「Form 3」「Form 3L」や豊富な樹脂材料による多くの造形サンプルを展示した他、3Dプリンタで出力する前の準備プロセスの改善と、出力後の活用提案などを行った。
3Dプリンタで出力する前の準備プロセスの改善については、HPのリモートアクセスソフトウェア「HP Remote Graphics Software(以下、HP RGS)」の活用例を提案。手持ちのモバイルノートPCからネットワークを介して、拠点などに設置してあるワークステーションに接続し、大容量データを扱う3D CADや解析、形状最適化、スライサーなどの操作が遠隔から快適に行える様子を紹介した。
実際に、数年前に購入したという「MacBook Air」(CPU:Intel Core i5[1.7GHzデュアルコア]/メモリ:4GB)を用いて、埼玉県入間市にある検証センター「Formlabs Evaluation and Collaboration Center Japan(FLECCJ)」に設置したHPのワークステーションに接続。ワークステーションにインストールされたオートデスクの3D CAD/CAM/CAEソリューション「Fusion 360」を動かしたり、Formlabsが提供するスライサー「PreForm」を操作したりする様子を見ることができた。
なお、HP独自の圧縮技術とネットワーク改善機能により、低帯域や遅延のあるネットワーク環境からでもアクセス可能。ワークステーションのデスクトップの画像データのみを強固な暗号化技術で転送するため、セキュリティも担保されているという。
「HP RGSを用いることで、パワフルなワークステーションのコンピュータリソースを、手持ちの非力なモバイルノートPCでも活用できるようになる。大容量の3Dデータを持ち歩く必要もなくなり、外出先から拠点のワークステーションにアクセスし、解析を行ったり、スライサーを起動して3Dプリントを開始したりといったことが可能となる。業務によっては、重たいモバイルワークステーションを持ち歩かなくてもよくなるのではないか。当社の3Dプリンタをフル活用してもらう上でも、こうしたワークスタイルの変革につながる技術を併せて紹介することが重要だと考えている」(説明員)
一方、出力後の活用として、Form 3などで造形したものを型として利用し、真空成形機で樹脂製品や商品パッケージを製造するアプローチを提案。展示ブースでは、ラヤマパックらが開発した手動真空成形機「V.former Lab」を用いて製造した、オリジナル「ミニ四駆」ボディーなどが並んでいた。
また、造形物に対してレーザー刻印を施すという後加工の提案も行っていた。「試作工程におけるバリエーション管理や、最終パーツとして使用する際のトレーサビリティーの確保などに活用できるのではないか」(説明員)。
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