ユニチカは2019年11月1日、同社と同社子会社が製造、販売した製品について不適切な検査の実施が新たに判明したと発表した。
ユニチカは2019年11月1日、同社と同社子会社が製造、販売した製品について不適切な検査の実施が新たに判明したと発表した。不適切検査の影響を受けた製品は、プラスック容器や結束バンドなどの原料となるポリエステル樹脂4銘柄、およびオフィス用椅子などに用いられるナイロン樹脂4銘柄。検査の未実施や測定数値の書き換えなどがあった。
ポリエステル樹脂では、水分率に関して測定しなかったものと測定数値を書き換えたものがあった。同製品は製造後に乾燥状態で梱包、出荷するため、「顧客に納入する製品自体の水分率には問題が無く、水分率を測定する際のサンプル採取の手法、つまり検査方法の不具合であるとの認識」(ユニチカ)で不適切な取り扱いを行ったという。対象製品の出荷金額は2014年から5年間の累計で約6億円。
また、ナイロン樹脂では引張強度、耐衝撃性、粘度の測定項目で数値の書き換えがあった。「測定値と規格値との差がごくわずかであり、実質的にはお客様にご迷惑をおかけすることは無いという勝手な思い込み」(ユニチカ)が原因としている。対象製品の出荷金額は2014年から5年間の累計で約2億円。
同社は同年8月にもポリエステル短繊維71銘柄、不織布5銘柄で不適切検査があったことを公表している。ポリエステル短繊維では捲縮(けんしゅく)数、捲縮率、熱収縮率、繊維長の測定項目で数値の書き換えがあった。不織布では伸度、熱収縮率について数値の書き換えや選別があった。今回新たに発覚したポリエステル樹脂とナイロン樹脂における不適切検査は、同事案の発生を受けて進めていた品質管理監査を含む再調査で判明した。
同事案における製品安全面への影響については、「問題ないと判断している」(ユニチカ広報)。既に対象顧客への謝罪や事情説明を行っている。全事案について外部調査委員会による調査を実施しており、2020年1月頃を目途に公表する予定だ。
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