富士通と富士通研究所は、筋骨格や脳神経、循環器などの疾病の影響で現れる、患者のさまざまな歩き方の特徴を定量化する歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine」を開発した。
富士通と富士通研究所は2019年9月18日、筋骨格や脳神経、循環器などの疾病の影響で現れる、患者のさまざまな歩き方の特徴を定量化する歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine(キヅク ウオーキングエンジン)」を開発したと発表した。
歩行時の動作法則に基づくモデルを活用し、両足首に装着したジャイロセンサーの信号波形に特徴点を付けて意味づけた。特徴点を計測することで、歩幅やスイング時間など、歩き方の特徴を定量化する。
ジャイロセンサーは市販のものを活用。小刻み歩行、ぶん回し歩行、すり足歩行など9種類の歩行異常を含む歩き方を評価したところ、歩行動作のみを判別する歩行区間の自動認識精度が96.5%、スタンス時間とスイング時間の和であるストライド時間の抽出誤差が1.8%という結果になった。歩行区間を手入力する従来製品に比べ、誤差を最大で約3分の1に削減し、複数の歩行特徴を高精度に算出できた。
患者の症状把握のために歩行観察は重要とされるが、疾患の種類や重篤度合いによって歩行特徴は異なるため、デジタル化は困難だった。今回開発した技術により、回復過程の記録や遠隔モニタリングなど、業務効率化につながることが期待される。
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