「つながるクルマ」が変えるモビリティの未来像

パイオニアが自動運転関連の事業部を分社化、LiDARも新会社に自動運転技術

パイオニアは2019年9月30日、自動運転関連の事業会社を新設すると発表した。新社名は「パイオニア スマートセンシングイノベーションズ」で、パイオニアの完全子会社となる。2019年10月1日付で設立する。

» 2019年10月01日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 パイオニアは2019年9月30日、自動運転関連の事業会社を新設すると発表した。新社名は「パイオニアスマートセンシングイノベーションズ」で、パイオニアの完全子会社となる。2019年10月1日付で設立する。

 新会社はパイオニアのスマート&オートのマスモビリティ事業グループの事業活動を承継する。LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)を中心としたセンシング技術を基に、自動運転関連事業を推進する。資本金は1億円。代表取締役社長はスマート&オートノマスモビリティ事業開発部の高木晴彦氏が務める。

 パイオニアは2019年9月27日に組織体制の変更を発表しており、2019年10月1日付でテレマティクス事業や車両データの活用などを扱う「モビリティサービスカンパニー」と、市販向けや自動車メーカーに納入する車載情報機器を手掛ける「モビリティプロダクトカンパニー」を新設する。一方、新会社は変化の速い自動運転分野において独立して意思決定を行うため分社化した。新会社は完全子会社のため、パイオニア本体とも連携は続ける。

 パイオニアは2020年以降の本格的な量産を目指し、MEMSミラー方式のLiDARの開発を進めている。MEMSミラーはHUD(ヘッドアップディスプレイ)でノウハウがあった。遠方の小さな落下物検知用に用いる「望遠」、周辺の移動物体検知や自車位置推定に用いる「標準」、周辺環境認識と自車位置推定に用いる「準広角」「広角」と、画角が異なる4製品を用意する。製品に組み込まれるMEMSミラーも画角によって使い分ける。車載用だけでなく、船舶の自動航行の研究開発向けにも採用されている。

 直近では、キヤノンとLiDARの共同開発契約を締結し、キヤノンが保有する光学技術やノウハウを取り入れて高性能な小型タイプの実現を早めようとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.