高解像度と広視野角の両立に強み、オムロンの3Dライダー : 東京モーターショー 2017
「第45回東京モーターショー 2017」のオムロンブースでは、「ドライバー見守り車載センサー」や3D LiDARのデモに注目が集まった。
オムロンは「第45回東京モーターショー 2017」(プレスデー:2017年10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)で、3D LiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)や「ドライバー見守り車載センサー」のデモなど同社が展開する車載電装品を展示した。
オムロン オートモーティブエレクトロニクスの福本哲也氏
オムロン オートモーティブエレクトロニクス 執行役員 開発統括室長の福本哲也氏は10月26日のプレスデーで、世界的にみると交通事故死亡者数は増加傾向にあると指摘。その上で「オムロンはこの社会課題について革新的な技術やサービスをもって取り組んでいく」と語り、自動運転やドライバーモニタリングなどに向けたオムロン独自の技術で、交通事故防止に貢献する姿勢を示した。
同社のブースで注目を集めていた展示は、ドライバー見守り車載センサー(※1) のコックピット型デモンストレーションだ。ドライバー見守り車載センサーは、ドライバーが運転に集中できる状態かを車両側が判断できる「世界初」(オムロン)の技術で、ドライバーが運行の状況を注視しているか(Eyes ON/OFF)、ドライバーがどれだけ早く運転に復帰できるのか(Readiness High/Mid/Low)、ドライバーが運転席にいるか(Seating ON/OFF)の指標で判定しているという。
(※1)関連記事:深層学習で顔や目線の向きだけでなく行動内容も識別、オムロンのドライバー監視
ドライバー見守り車載センサーの特長と機能(クリックで拡大)
また、同社ブースのもう1つの目玉であった3D LiDARのデモは、センサーの前に立ってさまざまなポージングをすることで、目の前に設置されたディスプレイに点群として読み取ったデータが表示されるものだった。同社の3D LiDARは、高解像度と広視野角を両立ししており、30m先にある、高さ10cm程度の縁石のような低背障害物も計測が可能だという。2020年の量産開始を目指す。
3D LiDARでモデルのポージングを検知するデモンストレーションの様子
深層学習で顔や目線の向きだけでなく行動内容も識別、オムロンのドライバー監視
オムロンは、視線の向きや動作からドライバーの運転への集中度を推定する「ドライバー見守り車載センサー」を開発した。2016年6月に発表した技術をさらに進化させたもので、2019〜2020年ごろの量産を目標とする。
ドライバーの状態をカメラとAIで把握する車載センサー、オムロンが開発
オムロンは、ドライバーが安全運転に適した状態かを判別する「ドライバー運転集中度センシング技術」を搭載した車載センサーを開発した。カメラで撮影したドライバーの顔と動作の映像をディープラーニングで処理し、ドライバーが自動運転から手動運転に復帰できるか判断する。2019〜2020年に販売される自動運転車などへの採用を目指す。
ドライバーのよそ見にきつい口調で注意喚起、視線検知の使い道とは
富士通テンは、「富士通フォーラム2016 東京」において、視線検知やスピーカーを活用した運転支援技術を紹介した。わき見している場合には強い口調の音声で注意喚起したり、視線の移動量から運転の負荷を推定してメールの通知など緊急性の低い情報提供を控えたりする。
オムロンの「3Dフラッシュライダー」はスキャンしない広範囲レーザーレーダー
オムロンオートモーティブエレクトロニクスは、「東京モーターショー2015」において、カメラのように3Dの距離画像を赤外線で撮影できる「3Dフラッシュライダー」を展示した。車両の周囲を広範囲に検知する必要がある自動運転車向けに開発中で、2020年ごろの実用化を目指す。
パイオニアが自動運転向けライダーをサンプル出荷、2017年9月下旬から
パイオニアは2017年9月下旬から車載用ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)のサンプル出荷を開始する。国内外の自動車メーカーや、地理情報システム(GIS)を手掛けるICT企業向けに提供し、一般道でのレベル3以上の自動運転車や、次世代GISサービスでの採用を目指す。量産化は2020年以降としている。
パイオニアはライダーで前方監視、室内に後付けできるタイプも開発中
パイオニアは、「東京オートサロン2017」において、自動運転車のコックピットを提案した。周辺監視や運転操作を全てシステムに任せる間の過ごし方や、自動運転から手動運転に安全に切り替える工夫を紹介。また、開発中の前方監視用ライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)も披露した。
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