オムロンの「3Dフラッシュライダー」はスキャンしない広範囲レーザーレーダー東京モーターショー2015

オムロンオートモーティブエレクトロニクスは、「東京モーターショー2015」において、カメラのように3Dの距離画像を赤外線で撮影できる「3Dフラッシュライダー」を展示した。車両の周囲を広範囲に検知する必要がある自動運転車向けに開発中で、2020年ごろの実用化を目指す。

» 2015年11月05日 06時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 オムロンオートモーティブエレクトロニクスは、「東京モーターショー2015」(一般公開日:2015年10月30日〜11月8日、東京ビッグサイト)において、カメラのように3Dの距離画像を赤外線で撮影できる「3Dフラッシュライダー」を展示した。車両の周囲を広範囲に検知する必要がある自動運転車向けに開発中で、2020年ごろの実用化を目指す。

オムロンオートモーティブエレクトロニクスが開発中の「3Dフラッシュライダー」 オムロンオートモーティブエレクトロニクスが開発中の「3Dフラッシュライダー」(クリックで拡大)

 現在、自動車メーカー各社やGoogleなどが開発を進めている自動運転車には、赤外線で車両の周囲をスキャンして車両や歩行者などを検知するレーザースキャナーが搭載されている。3Dフラッシュライダーは、レーザースキャナーと同様に赤外線を用いることで広範囲を検知することができるセンサーデバイスだ。

 レーザースキャナーとの最大の違いは赤外線のスキャンを行わない点にある。3Dフラッシュライダーは、新規開発の高性能発光モジュールで赤外線を広範囲に照射してから、車両の周辺にある物体によって反射した赤外線を三次元距離画像素子で撮像し、独自のアルゴリズムで解析することで、赤外線による広範囲の検知を実現している。

 この3Dフラッシュライダーの検知範囲は、水平方向が140度、垂直方向が30度で、検知距離は20mとなっている。オムロンオートモーティブエレクトロニクスは、車両の前後左右に配置することで、車両の全方位を検知できるとしている。

「3Dフラッシュライダー」による検知の例。ガードレールや段差「3Dフラッシュライダー」による検知の例。昼間の歩行者「3Dフラッシュライダー」による検知の例。夜間の歩行者 「3Dフラッシュライダー」による検知の例。左から、ガードレールや段差、昼間の歩行者、夜間の歩行者(クリックで拡大)

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