ワークポートが「終身雇用」についてのアンケート調査結果を発表した。「終身雇用制度」を必要と思うか尋ねたところ、5割以上の人が「いいえ」と回答。「年功賃金制」を支持しないという人は約7割に上った。
総合転職エージェントのワークポートは2019年6月25日、「終身雇用」についてのアンケート調査結果を発表した。
同調査は、ワークポートを利用する求職者を対象としたもので、405人から有効回答を得た。
現在の会社(直近まで働いていた会社)に入社した時、定年まで働くことを想定していたか尋ねたところ、68.6%が「いいえ」と回答した。その理由として、「独立する計画を立てていた」「転職してキャリアアップしていく時代だと思う」など、後のキャリアを見据えた入社や、転職をキャリアアップの手段と考える意見が多く挙がった。一方で、取りあえず入社したというような意見もあり、この回答結果の背景として、転職に対するハードルが全体的に下がってきていることがうかがえる。
次に、「終身雇用制度」を必要だと思うかを尋ねた。その結果、54.3%が「いいえ」と回答した。「いいえ」と回答した人を見ると、「能力よりも年功序列での評価になりやすく、デメリットが大きい」「企業成長のためには新陳代謝は必要」など、能力に見合った評価が得られないことへの懸念や、働き方の多様化がもたらす人材の流動が、さらなる成長につながるといった意見が目立った。「はい(終身雇用制度は必要)」と回答した人からは、長期的な収入の安定を求める声が挙がっている。
「年功賃金制」を支持するかについては、「いいえ」が71.9%に上った。「いいえ」と回答した人を見ると、「年齢が上でも実力がない人がいる」「能力があるのに賃金が低いと働く意欲が下がる」など、モチベーションを保つためにも実力で評価されるべきという意見が多かった。「はい(年功賃金制を支持する)」と回答した人には、ライフスタイルの変化に伴う出費の増加をふまえた意見や、同じ会社で長期間働いたことが評価されるべきといったコメントが見られた。
働き方の価値観として、「できれば転職せずに1つの会社で長く働き続けたい」と「必要に応じて何度か転職してもよい」のどちらが自身の考えに近いかを尋ねたところ、68.4%が「必要に応じて何度か転職してもよい」と回答。7割近くの人が、転職を働き方の選択肢の1つとして前向きに捉えていることが分かった。
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