IoTの普及から、モノ(Things)に関連する組み込みエンジニアのニーズは高まっているが、エンジニア自身は自身のキャリアをどう組み立てていきたいと考えているのか。TechFactoryにて実施したアンケート調査から探る。
もはや「IoT」の概念や特徴は広く知れ渡っているが、それを実現する人手が足りているとはいえない状況が続いている。特にIoTの「T」である「モノ」に関連する組み込みエンジニアについては、IoTの適用範囲が広がるほど組み込みソフトウェアの重要性が上がるため、市場からのニーズも高まっている。
組み込みエンジニアという職種そのものは以前より存在するが、このようにIoTの普及に伴って、そのスキルを発揮する場所も増えている。そのため転職を含めたキャリアプラン構築の柔軟性も高まっていると想像できるが、組み込みエンジニア自身は自分のキャリアをどのように組み立てようと考えているのか。
そこで製造業のための製品・サービス情報サイト「TechFactory」では、読者を対象にした組み込みエンジニア自身のキャリアについてアンケート調査を実施した(調査期間:2017年10月18日〜11月15日|総回答数:201件)。ここではその結果をまとめたレポートの概要を紹介する。
回答者201人の中、転職経験の有無は54対46とやや経験ありが優勢という程度だが、良い話があれば検討するという潜在層まで含めれば、回答者の約7割が「転職を考えてもいい」「転職を考えている」と回答している。その理由としては収入面の不満が群を抜いており、次いで会社の将来性、評価への不満と続いている。
転職動機は「自分の能力が生かせない」「尊敬できる先輩やエンジニアがいない」「人間関係に問題がある」と続いており、エンジニアとしてどう生きていくかに起因する悩みを持つ人が多い様子がうかがえる。
転職先企業に求めるものは転職動機と同じく「給与」が1位だが、「仕事が面白そう」「希望の仕事内容である」「能力を生かせそう」とスキル面でのやりがいも同様に求めているという結果となった。その一方で、勤務先の知名度や業界順位などを気にする声は小さく、自己スキル発揮を優先したいというエンジニア気質が感じられる。
転職経験者が利用した手段としては、転職サイト、直接応募、人材紹介の3つが上位に入った。いわば王道の手段であるが、「次の転職ではどんな手段を使いたいか?」という質問には直接応募に代わり「スカウト」が上位に入った。組み込みエンジニアのスカウトが他職種に比べて少ないためと思われるが、AIやIoTといった新技術の開発においてエンジニア不足は深刻化している。領域によってはエンジニアの争奪戦が激しくなると予想される。
本調査の詳細レポートでは、回答者の基本属性、各設問の結果をグラフと数値で確認できる他、「転職を考えるようになった理由」「転職を希望する理由」「使ったことのある転職方法」などについての調査結果も掲載しており、今後のキャリアアップに必要と思われる技術や資格について、自由記述で回答を寄せてもらっている。詳細レポートは、以下からダウンロード(無料)していただきたい。
組み込みエンジニアの7割が「転職してもいい」、ダントツ理由の第1位は
会員制情報サイト「TechFactory」では、組み込みエンジニアのキャリアの実態を浮き彫りにすべく「組み込みエンジニアのキャリア実態調査」を実施(調査期間:2017年10月18日〜11月15日|総回答数:201件)。その結果をレポートにまとめた。
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