キーウォーカーが「製造業のAI活用」に関する調査結果を発表した。業務にAIを導入している製造業は36.9%だった。また、AI人材の育成について、業務との両立や教育コストを課題と考えていることが分かった。
キーウォーカーは2025年7月15日、「製造業のAI活用」に関する調査結果を発表した。
同調査は、調査時に製造業(経営者、IT部門、現場責任者)と回答したモニター404人を対象とした。
まず、勤務先でAI(人工知能)を業務に導入しているか尋ねたところ、「全社的に導入、運用している」が10.6%、「一部の業務領域で導入している」が26.3%となり、導入済みの企業が36.9%を占めた。一方で、41.8%が「導入予定はない」と回答している。
前問のAIの導入状況について「全社的に導入、運用している」「一部の業務領域で導入している」「導入を検討しているが未導入」と回答した人に、AIを導入、検討している業務領域について尋ねた。
その結果、「生産計画、需要予測」(55.2%)が最も多かった。次いで「品質検査、異常検知」(48.1%)、「設備保全、稼働率最適化」(41.0%)となっている。
続いて、AI人材の育成について尋ねた。社内でAIを扱える人材を育てる上で、障壁と感じる点として多かった回答は、「現場業務との両立が難しい」(35.6%)、「教える人がいない」(35.4%)、「教育に時間、コストをかけられない」(29.6%)だった。育成以前に「既存業務との両立」「誰が教えるのか」「どう時間を確保するのか」という基本的な課題があることがうかがえる。
AIツールを導入する際に重視するポイントは、「導入、運用後のサポート体制」「操作のしやすさ、UI」「導入、運用コストの妥当性」(同率38.4%)の回答割合が最も多かった。また、「教育コストの低さ」(27.5%)、「業種との親和性、業種特化性」(27.2%)も重視されており、多忙な業務環境との両立を意識したニーズがあるようだ。
次に「AI活用を社内で定着させる上で大きな課題だと感じるもの」を尋ねた。その結果、「社内で推進体制が整っていない」(31.9%)が最も多く、次いで「現場のツール利用定着が難しい」(25.6%)、「データやシステム基盤が整っていない」(22.7%)となっている。
「AIの導入、活用において有効だと思う外部支援」のトップ3は、1位が「従業員向け教育プログラムの提供」(38.4%)、2位「ツールの操作サポート、QA体制」(33.4%)、3位「導入後のサポートの充実」(32.4%)だった。AI導入の最大の障壁が「人材育成」と「活用定着」であることを裏付ける結果となっている。
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