IDC Japanが世界のIoT支出額予測を発表した。2019年のIoT総支出は前年比15.4%増の7450億米ドル(約82兆3076億円)に達する見込みだ。今後、スマートホームなど個人消費者向けのIoT支出額が伸び、2番目に大きな産業分野になると予測する。
IDC Japanは2019年2月12日、世界のIoT(モノのインターネット)支出額予測を発表した。
同社の「Worldwide Semiannual Internet of Things Spending Guide」によると、2019年の世界のIoT総支出額は、前年比15.4%増の7450億米ドル(約82兆円)に達する見込みだ。また、2017年〜2022年の予測期間中、同支出額は10%以上の成長率を維持し、2022年には1兆米ドル(約110兆円)に達すると予測される。
2019年で最も支出額が大きい産業は、組み立て製造の1190億米ドル(約13兆円)。その後にプロセス製造(780億米ドル:約8兆6000億円)、運輸(710億米ドル:約7兆8000億円)、公共公益(610億米ドル:約6兆7000億円)が続く。製造業においては、製造オペレーションおよび製造アセット管理をサポートする2つのソリューションが中心になると見られる。
予測期間中で最も年間平均成長率が高いと見込まれる産業は、保険(17.1%)。次いで、官公庁(16.1%)、医療(15.4%)となっている。
また、個人消費者のIoT支出額は、2019年には1080億米ドル(約11兆9000億円)に達し、2番目に大きい産業分野になると予測。有力な用途として、スマートホーム(オートメーションと家電)や個人向けウェルネス、コネクテッドカーなどが挙げられている。
用途別に見ると、2019年支出額は製造オペレーション(1000億米ドル:約11兆円)、製造アセット管理(442億米ドル:約4兆9000億円)、スマートホーム(441億米ドル:約4兆9000億円)、輸送貨物管理(417億米ドル:約4兆6000億円)が大きく、主力になると予測される。高成長率が見込まれるのは、空港設備管理やEV充電設備管理、農業フィールド監視、院内クリニカルケア、小売店舗内リコメンドなどだ。
2019年のIoT関連サービスをカテゴリー別に見ると、導入・運用サービスが2580億米ドル(約28兆5000億円)、ハードウェア支出が2500億米ドル弱(約27兆6200億円)、ソフトウェア支出が1540億米ドル(約17兆円)と予測される。
国別では、IoT支出額が最も多いのはアメリカで1940億米ドル(約21兆4000億円)。2位の中国も1820億米ドル(約20兆1000億円)と両国が突出して多く、日本(654億米ドル:約7兆2000億円)、ドイツ(355億米ドル:約3兆9000億円)、韓国(257億米ドル:約2兆8000億円)と続く。予測期間中の年間平均成長率については、メキシコ(28.3%)、コロンビア(24.9%)、チリ(23.3%)が高いと予測している。
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