ブリヂストンは2019年1月15日、新製品の乗用車用タイヤ「REGNO GR-XII」を同年2月1日より発売すると発表した。タイヤに求められる性能を高いバランスで両立しつつ、タイヤの摩耗に比例して大きくなる騒音を低減する新技術を導入したことが特徴だ。
ブリヂストンは2019年1月15日、新製品の乗用車用タイヤ「REGNO GR-XII(レグノ ジーアール・クロスツー)」を同年2月1日より発売すると発表した。175/70R14から275/30R20までの全68サイズで展開する。
GR-XIIは同社製乗用車コンフォートタイヤのラインアップでフラグシップモデルとして位置付けられるREGNOの最新モデル。乗り心地やハンドリング、静粛性、転がり抵抗といったタイヤに求められる性能を高いバランスで両立しつつ、タイヤの摩耗に比例して大きくなる騒音を低減する新技術を導入したことが特徴だ。
GR-XIIでは前モデル「REGNO GR-XI」からトレッドパターン、タイヤ構造、ゴム材質を進化させ、REGNOが標榜するタイヤ性能の“グレートバランス”実現を目指した。ブリヂストン 執行役専務 CTO・技術・品質経営分掌 兼 開発管掌を務める坂野真人氏がGR-XIIに盛り込まれた新技術を説明した。
タイヤが発する騒音は、主に低周波数帯域で「ゴー」と聞こえるロードノイズ、そして主に高周波数帯域で「ヒュー」と聞こえるパターンノイズに大別できる。ノイズの発生原因について坂野氏は、「ロードノイズはタイヤが振動する音だ。トレッド面が路面に接地したときにスチールベルトが振動し、その振動がサスペンションを経由して車内に伝達されることで生じる。また、パターンノイズは空気の共鳴音だ。タイヤトレッド面の溝と路面間に形成される空間で気柱管共鳴音が生じている」と説明する。
同社ではロードノイズとパターンノイズを低減するため、従来モデルからさまざまな技術を採用してきた。前モデルのGR-XIでは、「ノイズ吸収シートII」や「3Dノイズカットデザイン」を採用することでロードノイズを、「サイレントACブロック」と「3Dノイズ抑制グルーブ」を採用することでパターンノイズを低減している。
3Dノイズ抑制グルーブは2本の溝の間に刻まれている「ダブルブランチ型消音器」によってヘルムホルツ共鳴を発生させ、気柱管共鳴音を低減させるもの。GR-XIIではダブルブランチ型消音器のパターンを最適化した。また、ダブルブランチ型消音器の断面形状を摩耗に合わせて変化させる「シークレットグルーブ」を新たに備えた。これによりタイヤ摩耗時においても上質な静粛性を維持できるとし、60%摩耗時の騒音エネルギーを前モデルと比べて17%低減したとする。
タイヤ構造の面では、接地形状を円形に近づける最適化を施すことで凹凸に乗り上げた場合の突き上げ衝撃を軽減させた。また、同社独自のシミュレーション、計測技術である「ULTIMAT EYE」をフルに活用し、イン側とアウト側で非対称となるサイドウォール形状やセンタープレーンリブを備えた非対称トレッドパターンを開発。高い直進安定性と応答性を両立させた。
GR-XIIではトレッドゴムに関しても進化を果たした。一般的にグリップ性能と低燃費性能はトレードオフの関係にあり、「粘着性があるゴムはグリップを出そうと思ったら役立つが、低燃費性能には邪魔」(坂野氏)な存在となる。
そこで同社では独自の微細加工技術により、「大変形かつ高変形周波数条件でのみ粘着性を発揮するポリマーを開発」し、ゴムに配合することで寿命とウェットグリップ性能、そして低燃費性能を両立させた。前モデルからウェットグリップを維持しつつ、燃費性能を14%向上させたとし、GR-XIIの一部モデルでは低燃費タイヤ等のラベリング制度において転がり抵抗係数AAを取得している。
また、同社の新テレビコマーシャル「100人のちゃんと買い」に関する発表も同日に実施され、コマーシャルに出演する竹野内豊さんと杏さんが登壇。「タイヤ選びで重視する点を一言で表すならば」との質問に対し、モータースポーツやドライブが好きと語る竹野内さんは“フィーリング”、子供をもつ母親でもある杏さんは“愛情”が重要と語っていた。
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