手押しで移動や設置、動作教示が簡単な人協働ロボット:FAニュース
安川電機は、人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTハンドキャリータイプ」を発売した。手押し台車に搭載しており、ロボットが必要な場所へと簡単に移動して、設置できる。
安川電機は2018年9月26日、産業用ロボットMOTOMAN(モートマン)シリーズの新製品、人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTハンドキャリータイプ」を発売した。価格はオープン。
MOTOMAN-HC10DTは、産業用ロボットの国際的な安全規格「ISO10218-1」に準拠した人協働ロボットで、安全柵なしで人との協働作業が可能だ。手押し台車に搭載したハンドキャリータイプでは、ロボットが必要な場所へと簡単に移動・設置可能になった。設置場所での固定や移動時の固定解除も容易で、台車部分のハンドルを回すだけで完了する。
ロボットへの動作教示は、ダイレクトティーチ機能で直感的に実施できる。ダイレクトティーチボタンを手でつかみ、自由に操作して任意の動作を教示可能だ。また、台車部分に取り付けてあるスマートペンダントでも動作教示できる。同ペンダントは10.1インチのタッチスクリーン式で、初心者向けのガイダンスヘルプ機能を備える。
100V電源に対応しているため、電源につなぐだけで設置できる。3相200V仕様も別途用意した。可搬質量10kgで、最大リーチは1200mm。主な用途として、装置内や装置間の搬送、小さな部品の仕分けや箱詰め作業などを想定している。
人協働ロボット「MOTOMAN-HC10DTハンドキャリータイプ」 出典:安川電機
人手による「MOTOMAN-HC10DTハンドキャリータイプ」の移動 出典:安川電機
ダイレクトティーチ機能による教示作業 出典:安川電機
- 期待されるロボット市場の成長、安川電機は何を思うか
産業用ロボットでトップレベルのシェアを握る安川電機。労働人口減少による人手不足や政府の掲げる「ロボット新戦略」などロボットの活躍の場がさらに増えると見られている中、何を考え、どのような技術開発を進めているのだろうか。ロボット事業部 事業企画部 部長の富田也寸史氏に話を聞いた。
- 安川電機が考える人協働ロボットの課題と可能性
安川電機の人協働ロボット「MOTOMAN-HC10」は市場投入後1年を経過した。その手応えを開発担当者に聞いた。
- 協働ロボット、ロボットシステムに残された課題と未来
協働ロボットを現場で活用するのにどのような工夫が必要か――。ロボット技術の総合展示会「2017国際ロボット展」では、ロボットメーカーおよびユーザー企業によるパネルディスカッション「ロボットフォーラム2017」が実施され、協働ロボットの意義について語った。
- 機械は人の仕事を奪わない、“人とロボットがともに働く現場”が拡大へ
2016年は人工知能関連技術が大きな注目を集めて「機械が人間の仕事を奪う」という議論が大いに盛り上がりを見せた。こうした一方で2017年には「現場」において、こうした動きと逆行するように見える「人とロボットが協力して働く世界」が始まりを迎える。
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。
- 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.