大阪大学と島津製作所は、細胞内代謝物の糖リン酸類を正確に分析する技術を開発した。細胞内代謝物の中でも重要な役割を担う糖リン酸類を完全に分離することで、より正確な代謝計測が可能になった。
大阪大学は2018年9月19日、同大学大学院情報科学研究科 教授の松田史生氏らの研究グループが、細胞内代謝物の糖リン酸類を正確に分析する技術を開発したと発表した。島津製作所、大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座 招聘(しょうへい)教授の飯田順子氏らのグループとの産学連携研究による成果となる。
今回の研究では、大阪大学の代謝計測と島津製作所が開発した先端分析機器を組み合わせ、新たな計測技術を開発。細胞内代謝物の中でも重要な役割を担う糖リン酸類を完全に分離することで、より正確な代謝計測が可能になった。
代謝中間体の糖リン酸類は、構造が類似したものが多く、従来技術ではそれらを分離して正確に計測することが困難だった。今回開発した新技術により、代謝が関わる疾患の新規治療法やバイオ燃料生産微生物の開発、バイオマス資源植物の開発などへの貢献が期待される。
代謝機能の異常は、糖尿病やがんなどの病気に関わっているとされる。その仕組みの解明には、糖を分解する過程でできる代謝中間体の正確な計測が必要とされるが、特に糖リン酸類と呼ばれる種類の代謝中間体は、分離が困難で正確な計測が難しいとされていた。
糖尿病治療薬の致死率50%の副作用に有効な治療薬、九州大などが発見
糖尿病の末梢神経障害を10秒で検査、オムロンが米製の筋電計を独占販売
ヒトのウイルス糖尿病リスク遺伝子を発見
少量の血液で測定できる、糖尿病患者向け血糖自己測定器を発売
エビデンスの質が問われる糖尿病領域のモバイルヘルス
HLAタンパク質の安定性が1型糖尿病などの自己免疫疾患に関係Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
コーナーリンク