図1の展開ステップを2カ月で実施する進め方を図2で説明しています。
1カ月目が終わるころから、最後に実施計画が着実に実施できるように、PDCAサイクルの回る仕組みを構築します。しかし、筆者はこれまで、いくつかの会社で実施計画まではできても、実施に移せない場合を見ました。プロジェクトを早く、円滑に進めるために、最初は外部のコンサルティング会社などの専門家に依頼するのもよいでしょう。品質保証体制の在り方や先進企業の事例共有などは、自社のレベルを認識する上でも重要です。
品質不具合が発生している会社に共通していることは、一見小さな品質不具合だとしても、追加で不具合が発生しさらに深刻な問題が次から次へと出てくるというものです。
その場しのぎの対策や対応だけでなく、企業文化や体制を変えるということまでを考えないと根本的な品質問題は解決しません。また、品質問題はより革新的な新製品や市場拡大に必要なテーマだと認識すべきです。
IoTはそのための1つの効果的な道具です。IoTを用いてどんなことができるかと検証すべきフェーズは既に終わっていると筆者は考えます。実際にIoTを活用した品質向上の実践フェーズとなっています。グローバルで高品質を達成できている企業はこれらをうまく活用しています。先進テクノロジーをうまく活用し、グローバル化やネットワーク化などの進む新たなモノづくりの時代に最適な品質を実現することが重要です。これらが実現できた企業は、売上高や利益を向上させ、ビジネスをさらに拡大させています。日本の製造業がこうした流れに前向きに取り組めるように、本連載をご活用いただければ幸いだと考えます(連載完)。
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