プランKは、従来のプランDと比べて、価格設定と携帯電話通信網が違う点を除けば、国内を対象とするソラコムのIoT向け回線サービスとして大きく異なるわけではない。
ソラコム 社長の玉川憲氏は「ソラコムは、KDDIのような強力な法人営業部隊がいるわけではない。Webコンソール上に用意したサービスのラインアップを顧客に選んでいただく『セルフ販売』のビジネスモデルでやってきた。このセルフ販売にとって、KDDIの携帯電話通信網という通信の選択肢が増えることは重要なことだ」と説明する。
また、プランKとプランDという異なる携帯電話通信網のIoT向け回線サービスを組み合わせることで、さまざまな応用が可能になるという。例えば、あるIoTシステムでプランKとプランDの通信を併用することにより、耐障害性を強化するための冗長構成が可能になる。また、デバイス LAN 接続サービスの「SORACOM Gate」と組み合わせれば、プランKのSIMカードとプランDのSIMカードの間でプライベートIPを利用した通信を行えるようになる。
プランKについては今後、レファレンスデバイスの販売や認定デバイスプログラムの開始を予定している。
プランKとプランDは国内を対象とするIoT向け回線サービスだが、ソラコムはグローバルのサービスも展開している。今回のプランKの発表に併せて、グローバル向けの「SORACOM Air for セルラー plan01s(以下、プラン01s)」のサービスも拡充することを発表した。
これまでプラン01sでは、3G/2Gの通信にしか対応していなかったが、LTEも利用可能になった。米国や欧州など23カ国を皮切りに、順次対応国を増やしていく計画だ。また、基本料金とデータ通信料金のボリュームディスカウントも実施する。基本料金は、これまで1日当たり0.06米ドルだったが、アクティブ状態のSIMカードが100枚以上の場合に1日当たり0.05米ドルに値下げする。データ通信料金のボリュームディスカウントは、ソラコムが展開を強化している米国とカナダで実施。アカウント全体の通信量を基準として、最大で30%以上のディスカウントを行うとしている。
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