産総研とIVIがスマート製造分野で連携、国際標準化などを視野 : FAニュース
産業技術総合研究所とIVIはスマート製造実現に向けた連携と協力を開始する。
産業技術総合研究所(以下、産総研)とインダストリアルバリューチェーンイニシアティブ(以下、IVI)は2018年3月7日、スマート製造の実現に向けた連携と協力に関して協定を結んだことを発表した。
産総研では、さまざまな機器を連携させる「つながる工場」の構築を臨海副都心センターで推進しているが、今回の提携により、産総研とIVIは同拠点を中心的な拠点として位置付け、IoT(モノのインターネット)を活用したスマート製造の推進に向けた協力活動を展開する計画である。
IVIは、日本機械学会生産システム部門の「つながる工場」分科会が母体となり、2015年6月から活動を本格化。2015年度は、日本の現場力を生かした「緩やかな標準」を軸とし、具体的な問題を軸とした企業間協力などの取り組みを推進している。2016年からは外部団体との連携などにも積極的に取り組んでおり、米国のインダストリアルインターネットコンソーシアム(IIC)やドイツの各団体との連携を発表している。
今回の提携により、200社を超えるIVI参画企業によるさまざまなユースケースに対し、産総研拠点の「つながる工場」を利用して産総研シーズ技術の適用を進める。産総研が持つ加工、計測、ロボット、情報、知識処理などの技術を個別の要素技術を連携させることで、課題解決や価値創出を実現する研究開発を推進する。さらに、これらの活動の中から得られた成果をもとに、スマート製造展開のために標準化が必要とされる技術を特定し、その規格策定と国際標準化活動を進める。また、これらの研究開発をベースとして、コネクテッドインダストリーズ(Connected Industries)を実現するための国家プロジェクト事業への共同提案を行うとしている。
IVIが参照モデルで定義しているスマートモノづくりの最小単位(SMU) 出典:IVI
IVIが「スマート工場モデル」を公開、先行する独米に対し“日本式”を提案
「つながる工場」実現に向け、製造業、製造機械メーカー、ITベンダーなどが参加するIndustrial Value Chain Initiative(IVI)は、日本のモノづくりの良さを織り込んだスマート工場の基本モデル「Industrial Value Chain Reference Architecture (IVRA)」を公開した。
なぜIVIは新たなスマート工場モデルを打ち出すのか
「緩やかな標準」を掲げ、日本版スマート工場の実現を目指すIVI。2016年12月には新たにスマート工場の基本モデル「IVRA」を打ち出した。その狙いは何なのだろうか。IVI理事長の 西岡靖之氏に話を聞いた。
スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
インダストリー4.0の地味化はいい傾向?悪い傾向?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第13回となる今回は、2017年4月に開催されたドイツの「ハノーバーメッセ 2017」で見えた傾向についてまとめます。
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