東北大学が企業と共同で、産後うつの研究向けに妊婦用スマートテキスタイルを開発した。ウェアラブル心拍センサーとフィルム状導電素材を使用し、圧迫感が小さく着脱しやすい自然な装着感と測定精度を両立する。
東北大学は2018年1月9日、同大学東北メディカル・メガバンク機構 教授の富田博秋氏の研究グループがユニオンツール、東洋紡と共同で、産後うつの研究向けに妊婦用のスマートテキスタイルを開発したと発表した。ユニオンツールの「myBeat」ウェアラブル心拍センサーと東洋紡のフィルム状導電素材「COCOMI」を使用し、バイタル情報を取得できる。
産後うつや周産期のストレスに自身や周囲の人が気付いて早めに対応することは難しいとされる中、心拍測定に基づいた自律神経系計測はうつ状態などの客観的評価となる手段として期待されている。しかし、日常生活においてのバイタル情報の取得に当たり、従来では体に貼り付ける電極を利用するため、べたつき感があったが、同テキスタイルによって装着感の快適さが改善される。
同テキスタイルは、COCOMIが心臓から発生する微弱な電気信号を体表面で捉え、myBeatウェアラブル心拍センサーがその信号を心拍情報として機器内に記録する仕組みだ。開発には妊婦の意見も取り入れ、自然な装着感と測定精度を両立するよう設計した。
同大学では、本研究による技術開発によって産後うつの早期発見や発症および予後の予測につなげることを目指す。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.