心拍も検知できるUWBレーダー、離床センサーなどに応用WTP2014 / ワイヤレスジャパン2014

日本ジー・アイ・ティーは、パルス幅がナノ秒オーダーの短いパルスを使うImpulse Radio型UWB(Ultra Wide Band)レーダーセンサーを展示した。心拍を検知できるほどの高い分解能を持っているので、病院の離床センサーや、運転手の異常を検知する車内モニタリングシステムなどの用途を想定している。

» 2014年06月12日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan/MONOist]

 日本ジー・アイ・ティー(Global Interface Technologies)は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」(WTP2014、2014年5月28〜30日)で、UWB(Ultra Wide Band)を用いたUWBレーダーセンサーを展示した。Impulse Radio型UWB(IR-UWB)を用いたものである。

 IR-UWBは、パルス幅がナノ秒オーダーの非常に短いパルスを用いる。このパルスは正確な時間情報を提供するので、パルスを計測することで高精度の距離測定や動きの検知が可能になる(関連記事:「スマホ」と「パルス電波」で視覚障がい者の歩行支援、富士通などが開発)。

 UWBレーダーセンサーは、パルス信号を送信し、対象物に反射してはね返ってくるまでの時間を用いて対象物の動きを検知する。応用例としては、病院や介護施設での離床センサーや、自動車の車内モニタリングシステムなどを想定している。

 日本ジー・アイ・ティーによれば、IR-UWBは、心拍を検知できるほどの分解能を備えているので、呼吸数や心拍数のモニタリングしておけば高い精度で離床を検知できるという。カメラは必要ないので、プライバシーに対する懸念も減る。さらに、送信電力が携帯電話機の1/1000万と極めて低いので、医療機器や人体への影響がほとんどないことも利点だ。車内モニタリングシステムとしては、乗用車やトラック、バスの運転手や同乗者/乗客の心拍をモニタリングして異常があれば即座に検知できるような使い方も考えられる。

 日本ジー・アイ・ティーは、UWBハイバンド(7.25G〜10.25GHz)対応のRFモジュール、UWBアンテナの他、ベースバンド基板モジュール、RFモジュール、アンテナを搭載した「UWB PDK2(UWB開発キット)」などを提供している。

左=UWBレーダーセンサー。中央=UWBレーダーセンサーに搭載している基板(左側)。右=日本ジー・アイ・ティーが提供しているUWBシステム開発向けチップセット(クリックで拡大)

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