ケーヒンは、「オートモーティブワールド2018」において、ホンダのハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車に採用されている電動システムを展示した。
ケーヒンは、「オートモーティブワールド2018」(2018年1月17〜19日、東京ビッグサイト)において、ホンダのハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車に採用されている電動システムを展示した。
今回展示したのはパワーコントロールユニット(PCU)、バッテリーマネジメントシステム(BMS)、空調ユニット(HVAC)の3つ。
PCUは、「オデッセイ ハイブリッド」や新型「アコード」などの2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」に用いられている。モーターECU基板、ゲートドライブ基板、インテリジェントパワーモジュール(IPM)などを集積したユニットで、従来のSPORT HYBRID i-MMDに用いられているPCUと比べて大幅な小型と軽量化を実現した。従来モデルが重量17.4kg、容積11.5l(リットル)なのに対して、新モデルは重量14.3kg、容積8.9lとなっている。また、出力密度についても「世界トップクラス」(ケーヒン)とする43.6kVA/lを実現した。
またこのPCUはトランスミッションに直載する必要があるため、耐振動性を高めているという。
BMSは、「フィット」や「ヴェゼル」をはじめ、ホンダの電動システム搭載車に広く採用されている。特徴は、独自のセル電圧検出誤差補正による「世界トップレベル」(同社)の高精度センシングだ。最大誤差で0.3%以下としている。樹脂筺体の採用により、小型かつ軽量でもあるとする。加えて、BMSに求められる、自動車向け機能安全規格ISO 26262で最高の安全要求レベルとなるASIL-Dもクリアしている。
HVACは、新型「シビック」や燃料電池車「クラリティ フューエルセル」などに採用されている。従来比で容積を10%、重量を20%削減するなどの小型軽量化を図った。加えて、電動車両においてエンジンの使用率が下がり、その熱を暖房に利用しにくくなっている傾向に対応するために高効率のPTCヒーターを採用した。エンジンを持たない燃料電池車向けのオプションとして、燃料電池の廃熱を利用可能な専用高効率ヒーターコアも用意している。
これらの他、アイドリングストップ時の冷房性能を確保するため、エバポレーターに蓄冷タンク構造を採用している。スズキのマイルハイブリッドシステムも、アイドリングストップ時の冷房に蓄冷剤を活用しているが「その技術も当社が提供した。HVACだけでなく、構成する部品や技術を開発し、個別に提供できていることも強みだ」(ケーヒンの説明員)という。
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