ホンダは、量産タイプの燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」を、米国で2016年末までに発売する。しかし、米国でのエコカー戦略では、電池とモーターだけで走行できる距離を従来比の3倍となる60km以上に高めたプラグインハイブリッド車が本命になるようだ。
ホンダは2016年1月21日(米国時間)、日本国内で2016年3月に発売する量産タイプの燃料電池車「CLARITY FUEL CELL」について、米国では2016年末までに販売を始める方針を明らかにした。初年度はリース販売に限り、その後リース車両の使用状況やユーザーの意見を収集した後に一般販売を行う。リース価格は月額で500米ドル以下を想定しており、これにリース車両の本体価格である6万米ドルが加わる。まずはカリフォルニア州で販売を始める。
同社は2015年10月の「東京モーターショー2015」において、国内におけるCLARITY FUEL CELLの販売計画を発表している。国内でも初年度はリース販売、その後一般販売するとしており、米国での方針もこれとほぼ同じだ。ただし国内での価格情報は、一般販売時の税込み766万円となっている。
今回の発表は「ワシントンD.C.オートショー」(一般公開日:2016年1月22〜31日)で行われたが、CLARITY FUEL CELLの販売計画以上に重要な事業戦略を発表している。
ホンダはCLARITY FUEL CELLとプラットフォームが共通のプラグインハイブリッド車を開発中であり、米国50州で販売できる量産車として2018年に市場投入する計画だ。
現在販売している「アコード プラグインハイブリッド」に搭載している2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」は第2世代に進化する。そして、エンジンを使わずに電池とモーターだけで走行できる距離(EV走行距離)を、アコード プラグインハイブリッドの13マイル(約20km)の3倍となる60km以上に伸ばすとしている。
2016年末までにカリフォルニア州だけでリース販売する燃料電池車のCLARITY FUEL CELLと、2018年に米国全土で販売するプラグインハイブリッド車を比較すれば、どちらがホンダのエコカー戦略の本命になるかは明らかだろう。
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