東レは、高精細隔壁形成技術により、高鮮明なX線画像を得られるセル方式X線シンチレータパネルを開発した。このシンチレータパネルをX線非破壊検査やマンモグラフィーのX線検出部に用いると、従来品と比較して2〜4倍鮮明なX線画像が得られる。
東レは2017年10月17日、高精細隔壁形成技術により、高鮮明なX線画像を得られるセル方式X線シンチレータパネルを開発したと発表した。
同社がプラズマディスプレイ背面板隔壁形成技術で培った高精細隔壁形成技術に、隔壁内へシンチレータ材料を均一に充填(じゅうてん)する技術と光利用の効率向上技術を組み合わせた。センサーの画素サイズにX線シンチレータパネルを区画し、可視光の広がりを抑えることで鮮明なX線画像が得られる。
このシンチレータパネルをX線非破壊検査やマンモグラフィーのX線検出部に用いると、従来品と比較して、得られるX線画像が2〜4倍鮮明になる。
同社は今後、X線シンチレータパネル事業の拡大を目指し、リチウムイオン電池の微小異物検知などX線非破壊検査用途や、乳がんの微小石灰化の早期発見に貢献するマンモグラフィー用途への採用を進めていく。
一般的なX線検出器は、X線をX線シンチレータパネルで可視光に変換し、その可視光をセンサー画素が検知して画像データ化する。しかし、従来のX線シンチレータパネルは、X線から変換された可視光が全方向に広がり、広範囲のセンサー画素で検知されてしまうため、X線画像が不鮮明になるという課題があった。
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