三菱自動車は「第45回東京モーターショー 2017」において、スマートスピーカーの「Amazon Echo」や「Google Home」を通じてエンジンの始動やエアコンの設定、ドアの解錠・施錠を行う様子を紹介した。スマートスピーカーの普及が先行している北米で、2018年から同様のサービスを提供する。
三菱自動車は「第45回東京モーターショー 2017」(プレスデー:2017年10月25〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日)において、スマートスピーカーの「Amazon Echo」や「Google Home」を通じてエンジンの始動やエアコンの設定、ドアの解錠・施錠を行う様子を紹介した。スマートスピーカーの普及が先行している北米で、2018年から同様のサービスを提供する。
三菱自動車のコネクテッドサービス「ミツビシコネクト」に対応した車両でスマートスピーカーの連携機能を利用できる。いずれのスマートスピーカーでも、「ミツビシコネクトにつないで」などと話しかけた上で車両の操作を指示する必要がある。
北米で対応するのはAmazon EchoとGoogle Homeの2種類で、車両のオーナーは購入時に車載情報機器の画面からどちらを使うか設定する。これら2つのスマートスピーカーを選んだのは、北米地域で既に浸透しているためだ。
ミツビシコネクトとスマートスピーカーの連携は北米以外にも展開する方針で、日本も計画に入っているという。「日本ではLINEのスマートスピーカー『Clova WAVE』も人気のようだ。クラウドに情報を上げる技術などを検証しながら、どのスマートスピーカーに対応させるか検討していく」(三菱自動車の説明員)。
エンジンの始動やエアコンの設定、ドアの解錠や施錠といった機能は、従来のスマートキーや専用のスマートフォンアプリでも利用できる。タッチ操作を伴わず、音声のみで操作を完了できることから、スマートスピーカーとの連携を選んだ。
IT大手のスマートスピーカーを選択したことについて、三菱自動車の説明員は「われわれはコネクテッドカーの分野で出遅れていた。今から自前で機能を開発するよりも、よりユーザーにとって身近で親しまれている製品と連携する方が使ってもらいやすいと判断した。家電などと同じようにクルマもIoT(モノのインターネット)の一員として音声で操作できるようにしたい」と説明した。
運転中など車室内で用いる音声認識技術は、「Googleアシスタント」や「Amazon Alexa」ではなく、自社でAI(人工知能)パーソナルアシスタントを開発している。開発パートナーとして、英語版は米国シリコンバレーの複数の企業が、日本語版にはソフトバンクグループやベンチャー企業のAGIが協力している。
AIパーソナルアシスタントは、自然言語処理や、声から感情を推定する技術、ドライバーを監視するカメラからの情報を基に、眠気や注意力、認知レベルを推定するだけでなく、ドライバーの感情や意図も認識する。
音声認識は、クラウド側のAIと車載情報機器に組み込んだAIの2つで行う。両方を組み合わせることにより、通信が不安定な環境でも音声認識機能を利用できる。また、クラウド側のAIは三菱自動車の各車両から集まる会話情報を基に学習してアルゴリズムを改良する。クラウド側のAIの学習成果は車載情報機器に組み込んだAIに反映し、継続して精度を向上する。
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