トレンドマイクロはIoT向けセキュリティ戦略を発表。新たにIoTサービスを構成する4つのレイヤーを全てをカバーする形で業種ごとのセキュリティ対策を進めていく方針を示した。
トレンドマイクロは2017年10月11日、IoT(モノのインターネット)向けセキュリティ戦略を発表。IoTサービスを構成する4つのレイヤーを全てカバーする形で業種ごとにセキュリティ対策を進めていく方針を示した。
IoT機器の市場拡大が加速しているが、同時にセキュリティ面での脅威も増大している。ネットワーク接続デバイス数が爆発的に増加している他、ミッションクリティカルな環境での使用も今後拡大するためである。
これらの環境に対応するためにトレンドマイクロでは2017年3月に「家庭向け(スマートホーム)」「工場向け(スマートファクトリー)」「自動車向け(コネクテッドカー)」の3業種に向けた業種別の提案を進める方針を発表(※1)。さらに今回、これらを構成するIoTの4つのレイヤーを定義し、このレイヤーを全てカバーする形でセキュリティ対策製品やサービスを展開していく方針を示した。
(※1)関連記事:狙われる工場や自動車、トレンドマイクロが業種別セキュリティを展開
具体的な4つのレイヤーは「デバイス層」「ネットワーク層」「コントロールセンター層」「データアナライザー層」で、これらを業種と組み合わせることで、対策ポイントを明確化した提案を進めていく。
さらに、これらのセグメントを踏まえたうえで、トレンドマイクロの強みとして3つの戦略を押し出す。1つ目は、この4つのレイヤーを全てカバーする製品を展開する「フルレイヤーセキュリティ」である。2つ目は、3つの業種ごとに取り組む「業種への最適化」だ。そして3つ目が「つながる世界におけるセキュリティインテリジェンス」である。
トレンドマイクロ 取締役副社長の大三川彰彦氏は「業種ごと、レイヤーごとに特化したニーズをつかみ、それにあった形で製品やサービスを用意。それをそれぞれに最適なパートナーと組んで展開していく。このようにカバー範囲を明確にしこれらを組み合わせて展開できているのはトレンドマイクロ独自の強みだ」と述べている。
従来は業種別パートナーなどはほとんどいなかったが、2017年3月以降、IoTセキュリティの展開を目指してパートナーとの協業も拡大してきた。大三川氏は「クラウドベンダー、通信事業者、システムインテグレーター、業種特化型の企業など、さまざまなパートナーシップが具体的に進み、実証なども広がってきた」と述べている。
製品的にも徐々に準備ができてきたという。新たにIoTデバイスのリスク検知やシステム保護を実現するIoT機器向けのセキュリティソリューション「Trend Micro IoT Security」の実証なども進んできた他、ネットワークの仮想化によってセキュリティを確保する「Trend Micro Security VNF」なども用意している。
大三川氏は「具体的にIoT向けセキュリティの製品やサービスの準備が進み始めている。既に実証実験なども進んでおり、今後製品やサービスとして提供していく」と述べている。
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