ホンダが四輪の国内生産体制を再編、寄居工場中心に電動車の生産技術強化製造マネジメントニュース

ホンダは、競争力向上に向けて四輪車の国内生産体制を見直す。2021年度までに埼玉製作所での生産を寄居完成車工場に集約し、電動化など新技術への生産対応を進める。

» 2017年10月05日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 ホンダは2017年10月4日、競争力向上に向けて四輪車の国内生産体制を見直すと発表した。

 2021年度までに埼玉製作所での生産を寄居完成車工場(以下、寄居工場)に集約し、電動化など新技術への生産対応を進める。狭山完成車工場(以下、狭山工場)の従業員は寄居工場などに異動する。また、ホンダ子会社の八千代工業の完成車生産事業を譲り受け、少量モデルの生産も効率化を図る。鈴鹿製作所は軽自動車や小型車を担当し、競争力のある生産技術やノウハウを構築するとともにグローバルに水平展開していく。

 狭山工場の跡地の活用などについては、地元とも議論しながら検討を進めていくとしている。

寄居工場が中心になって生産技術を標準化

 電動化など新技術に対応した生産技術を構築、標準化して海外の生産拠点に展開させ、グローバルでの人材育成も兼ねた機能を寄居工場に新たに持たせる。

 具体的には、海外の各生産拠点のアソシエイトが集まり、日本で蓄積したノウハウをベースに生産技術やプロセスの企画を共同で行う。寄居工場の実証ラインで検証しながら熟成を図る。このようにして標準化させた技術やプロセスをグローバルに水平展開し、高品質な新製品を迅速に立ち上げて市場投入できるようにする。

 八千代工業の四日市製作所では軽スポーツカー「S660」の他、「アクティ トラック/バン」や「バモス/バモス ホビオ」、福祉車両や軽自動車の架装を手掛けている。八千代工業は、完成車生産事業の譲渡によって、生産減少の中で従業員の技術や技能、経験がグループ内で有効に活用されると判断。2017年10月4日にホンダと基本合意書を締結した。今後は部品事業への経営資源の集中をさらに推し進める。

 ホンダの2016年の国内生産は81万台だった。このうち狭山工場で19万台、寄居工場で22万台、鈴鹿製作所で36万台を生産した。狭山工場の主な生産車種は「オデッセイ」「ステップワゴン」「フリード」「アコード」など。寄居工場では「フィット」「ヴェゼル」などを生産。鈴鹿製作所では「N-BOX」「N-WGN」の他、フィットを生産している。

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