富士通と富士通研究所は、橋表面に取り付けた1カ所のセンサーから、広範囲にわたる橋内部の損傷度合いが推定できる技術を開発した。内部ゆがみの発生も検知できるため、損傷を初期段階で推定し、早期に対策を施すことができる。
富士通と富士通研究所は2017年8月28日、橋表面に取り付けたセンサーの情報をAI(人工知能)技術で分析し、内部の損傷度合いを推定できる技術を開発したと発表した。社会実装は2018年頃を予定している。
今回両社は、IoT(モノのインターネット)機器のセンサーで取得した複雑な時系列の振動データから幾何学的特徴を抽出し、富士通研究所独自のディープラーニング技術を拡張してこれを学習させた。ディープラーニングによって構造物や機器などの状態を正常値との差で表す「異常度」や状態の急変を表す「変化度」を数値化し、異常の発生や変化を検知する技術を開発した。
同技術を、モニタリングシステム技術研究組合が実施した橋の疲労劣化の実証実験で得られたデータに適用したところ、その有効性が立証された。
この技術を活用することで、橋表面に取り付けた1カ所の加速度センサーのデータ解析結果から、広範囲にわたる橋内部の損傷度合いが推定できる。また、内部ゆがみの発生を検知するため、損傷を初期段階で推定し、早期に対策を施すことが可能になる。
今後、実証実験を重ねることで、橋梁内部の損傷度合いを橋梁表面に取り付けたセンサーで遠隔から高精度に推定できるようになるなど、橋の維持管理業務の高度化に貢献する。
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