安川電機は、アーク溶接ロボット「AR」シリーズの新たなラインアップとして「MOTOMAN-AR1730」を発売した。各軸の動作速度を最大30%向上させ、タクトタイムを短縮。可搬質量は25kgへと強化した。
安川電機は2017年6月1日、アーク溶接ロボット「AR」シリーズの新たなラインアップとして、可搬質量25kgの「MOTOMAN-AR1730」を発売したと発表した。主な用途として、自動車や機械関連部品などのアーク溶接を想定している。
MOTOMAN-AR1730は同社の従来機種と比較して、各軸の動作速度が最大30%向上した。また、ロボットの手首軸を短くし、基本軸の移動量を最適化することでタクトタイムを短縮。新たな軌跡制御を採用して、従来機種より軌跡誤差を80%減少した。テスト運転/プレイバック時も動作速度変化によらず同じ軌跡で動作する。
さらに、スリムアームの採用により、周辺設備への干渉を低減。小型躯体ながら広い動作範囲を確保している。溶接品質を向上させる各種機能やサーボトーチなども搭載可能で、中空アームの採用により、トーチケーブルをアーム内に収納できる。従来機種では24kgだった可搬質量を25kgに強化し、アーク溶接だけでなく溶接後のワーク搬送も1台でこなす。
アーム形状は、溶接時に飛散するスパッタや粉じんなどの堆積を少なくする丸みを帯びた耐環境デザインを採用。また、手首軸はIP67を標準採用するとともに、ロボット旋回軸上部のケーブル出口部を密閉構造とすることでスパッタなどの異物侵入を防止する。
ロボットとコントローラー間の接続ケーブルは1本のみ。これにより、設備の立ち上げ時間を短縮し、配線の少ない設備を構築できる。マニピュレーター内部の通信線の断線や各軸サーボモーターのエンコーダー異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラームを表示。また、通信線の断線時の仮復旧や仮配線を行えるマルチポートを各部位に配置した。
同製品と、溶接トーチの角度変化に応じて溶接波形を適切に自動調整する「シンクロウェルディング機能」を搭載した溶接電源MOTOWELD-X350を組み合わせることで、トーチの角度変化に伴う溶接条件の調整時間を短縮し、スパッタ発生を抑える。また、MOTOWELD-X350と交流ユニット(XACU)を組み合せることで、薄板に有効な交流溶接ができる。
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