「chemSHERPA」に対応、含有化学物質管理システムを刷新製造ITニュース

NECは、含有化学物質管理システムを国際電気標準に準拠した新たな化学物質情報の伝達スキーム「chemSHERPA(ケムシェルパ)」対応に刷新し、2017年4月からグループ全体で稼働を開始した。

» 2017年06月09日 09時00分 公開
[MONOist]

 NECは2017年5月23日、含有化学物質管理システムを刷新し、国際電気規格「IEC62474」に準拠した新たな化学物質情報伝達スキーム「chemSHERPA(ケムシェルパ)」に対応したと発表した。また併せて、同社が提供するWebサービス「ProChemist/AS」もchemSHERPAに対応した。

 chemSHERPAは、経済産業省主導で開発された、含有化学物質情報伝達のための新スキーム。これまで含有化学物質については、JAMP-AISやJGPSSIの調査シートによって調達先と情報伝達を行ってきたが、サプライチェーンに各種の調査シートが流通し、その対応が調達先の負担になっていたため、同スキームが新たに設けられた。

 NECでは、従来の含有化学物質管理システムをchemSHERPAに対応させ、同年4月よりグループ全体で稼働を開始。これまでの調査シートをchemSHERPAに変更したことで、調達先から提供される含有化学物質情報を基にEUが制定するRoHS指令への適合判断、REACH規則でのSVHC(高懸念物質)の含有確認、NEC調達基準への適合確認が可能になった。

 また、設計・PLMソリューション「Obbligato III」との連動により、設計上流からの含有化学物質情報の調査回答受け付け、データ管理、製品レベルでの順法判断までを一貫して実行するシステムを構築。設計情報との連動で製品レベルでの適合判断が行え、設計者の負担を軽減できる。新システムの移行時には、同社が蓄積する20万件以上もの含有化学物質データを活用し、再調査/再回答などの負担を削減している。

 さらに、chemSHERPAに対応した含有化学物質管理のためのWebサービスとしてProChemist/ASも提供し、第1号ユーザーとしてNECグループが利用を開始した。調達先とNEC間での調査/回答進捗に関する情報共有に加え、双方の負担軽減/効率化につながるため、同社では積極的な利用を求めている。なお、調達先は原則無料で同サービスを利用できる。

 同社では、ProChemist/ASを含めた含有化学物質管理ソリューションを今後3年間で150社へ導入し、20億円の売り上げを目指すとしている。

photo システムイメージ図

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