デンソーは「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2017」において、ダイハツ工業の衝突回避支援システム「スマートアシストIII」に採用されたステレオカメラを展示した。FPGAを採用することで大幅な小型化を図った。
デンソーは「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展2017」(2017年5月24〜26日、パシフィコ横浜)において、ダイハツ工業の衝突回避支援システム「スマートアシストIII」(以下、スマートアシスト3)に採用されたステレオカメラを展示した。
スマートアシスト3は軽自動車「タント」「ミラ イース」に採用されている他、搭載車種を順次増やす計画だ。前世代の「スマートアシストII」では単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせており、歩行者を検知して衝突の可能性を警告する段階までしか対応していなかった。センサーをステレオカメラに変更することにより、対歩行者の自動ブレーキに対応した。
軽自動車でダイハツ工業と競合するスズキも、衝突回避支援システムにステレオカメラを使っていた(※1)。スズキが採用していたステレオカメラはカメラの間隔が16cmだったのに対し、デンソーが開発したステレオカメラは2つのカメラの間隔を8cmまで短縮。ステレオカメラとしては「世界最小」(ダイハツ工業)としている。
(※1)2016年12月に発表した「スイフト」で、スズキは単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせたセンサーを採用した。センサー変更の目的は自動ハイビームへの対応。サプライヤはContinental(コンチネンタル)で、ハードウェアはトヨタ自動車の衝突被害軽減システム「Toyota Safety Sense C」と同じ。
ステレオカメラの小型化に大きく貢献したのは、FPGAの採用だという。採用したのはFPGA大手の製品。演算量の多さに対応でき、開発期間を短縮できることからFPGAを選択した。専用設計となるASICではコストが高く、ステレオカメラのパッケージに収まる基板サイズにもならなかったという。小型化により、ルームミラーの裏側に搭載が可能となり、ドライバーの前方視認性を確保している。
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