高鮮鋭なX線動画をリアルタイム表示する医療用X線動画技術を開発医療機器ニュース

富士フイルムは、ノイズを抑えた高鮮鋭なX線動画をリアルタイムで表示できる医療用X線動画技術を開発した。同技術は、デジタルX線画像診断分野で培った画像技術と新開発の画像処理エンジンによって開発された。

» 2017年04月25日 15時00分 公開
[MONOist]

 富士フイルムは2017年4月10日、ノイズを抑えた高鮮鋭なX線動画をリアルタイムで表示できる医療用X線動画技術を開発したと発表した。デジタルX線画像診断分野で培った画像技術と新開発の画像処理エンジンを活用して開発されたもので、今後、外科用イメージへの搭載など早期実用化を目指す。

 同技術には、X線画像にランダムに生じるノイズを高精度に抽出する画像解析技術、観察部位の動きを正確に検知する画像解析技術、X線エネルギーの検出効率を向上させる画像読取技術が活用されている。

 同技術は、前後のフレームに写っている観察部位を比較し、観察部位が動いた領域を高精度に検出する。鮮鋭性の低下は、加算平均を動いた領域の位置を重ね合わせてから行うことで抑制する。静止画(フレーム)ごとのノイズを高精度に抽出する画像解析技術により、低線量の撮影でも大幅にノイズを軽減する。そして、一連の画像処理は新開発の画像処理エンジンによって高速で行うため、リアルタイムで高鮮鋭なX線動画を得られる。

 一般的にX線動画のノイズ除去には、動画を構成する連続的なフレームを単純に重ね合わせ、その平均値を元に画像処理を行う方法が用いられている。X線動画は高鮮鋭であることが求められるが、一般的に用いられている方法にはフレーム間で観察部位が動くと観察部位が残像のように複数に見えたり、観察部位の鮮鋭性が低下するなどの課題があった。

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