さくらインターネットは、2017年5月上旬からIoTプラットフォーム「sakura.io」の提供を開始すると発表した。価格は、ソフトバンクのLTE閉域網を用いる通信モジュールの単価が8000円で、sakura.ioの月額利用料金が通信モジュール1台につき60円。2017年度の1年間で10万台の通信モジュールの販売を見込む。
さくらインターネットは2017年4月18日、東京都内で会見を開き、同年5月上旬からIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「sakura.io」の提供を開始すると発表した。2016年から「さくらのIoT Platform α」「さくらのIoT Platform β」として試験的に提供してきたサービスだが、今回の正式発表に併せて名称を変更している。価格は、ソフトバンクのLTE閉域網を用いる通信モジュールの単価が8000円で、sakura.ioの月額利用料金が通信モジュール1台につき60円。2017年度の1年間で10万台の通信モジュールの販売を見込む。
製造業をはじめIoTの活用に注目が集まっているが、そのためには、データを収集する末端のIoTデバイスの開発、データを集積するデータセンターやクラウドの整備、そしてIoTデバイスとデータセンターやクラウドとの接続といった作業が必要になる。さくらインターネット IoT事業推進室 室長兼IoTプラットフォームチーム シニアプロデューサーの山口亮介氏は「しかし、IoT活用を検討されている方は、センサーやデバイスの開発、サービスの提供を『やりたい』と考えているが、ネットワークとデータをやりとりするための機能や運用の確立はそのために『やらねばならない』ことだった。sakura.ioは、その『やらねばならない』ことを統合的に提供し、お客さまに『やりたい』に注力していただくために開発した」と語る。
sakura.ioは、IoTデバイスのセンサーやマイコンから得られるデータについて、LTEを用いた通信モジュールやさくらインターネットのインフラを通じて、データセンターやクラウドに送り込むまでのプロセスをカバーする機能を有している。「IoTデバイスで用いる電気信号(I2C、SPI)と、データセンターやクラウドで扱うJSON(JavaScript Object Notation)形式のデータを相互変換するプラットフォームと言ってもいい」(山口氏)としている。
sakura.ioの対象顧客はコンシューマー分野に定めた。山口氏は「低単価だが母数が多く、大きな成長も見込める。2015〜2020年の年平均成長率は15%に達する」と強調する。
しかしコンシューマー分野ではコスト面での要求はかなり厳しくなる。そこで同社は受け入れ可能な価格帯として、通信モジュールの単価で1万円以下、月額利用料金で100円以下に設定。2016年からの試験提供を経て、今回の正式な製品化の際には、通信モジュールの単価は8000円、月額利用料金は60円に抑えた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.