この月額利用料金には、1万回分の通信が可能なポイントが付与されている。これは約5分に1回の通信で済む用途であれば追加金額は発生しないことになる。「1回の通信で扱えるデータ容量は最大128バイトだが、これだけあればかなりのセンサーデータを送れるはずだ」(さくらインターネット 執行役員 技術本部副部長の江草陽太氏)という。
またユーザーの「やらねばならない」の削減を目指して、自動接続、データ自動保存、アップデート、時刻提供、LTEの通信機能を用いた簡易位置情報提供、ファイル配信といった機能も提供する。IoTを活用する際に広く用いられている、Websocket、MQTT、WebHooksといった通信プロトコル、「Node-RED」「myThings」「Microsoft Azure」「Amazon Web Services」といったIoT関連サービスとの連携も可能になっている。
IoT活用ではセキュリティも大きな課題とされている。sakura.ioの場合、基本の通信モジュールを利用するとIoTデバイスからさくらインターネットのデータセンターまでLTEの閉域網+専用線による接続で閉じている。外部アクセスができるのは、SSL/TLS通信を用いたAPIからのアクセスのみになる。江草氏は「当初からこのコンセプトで開発を進めてきたが、この枠組みはIoT時代のセキュリティとしてかなり良いものに仕上がっている」と述べる。
sakura.ioのエコシステムの拡大に向けて、「ハードウェアライセンス」や「プロトコルライセンス」といったライセンス方式での事業展開も拡大していく考えだ。ハードウェアライセンスは、通信モジュールの形状変更や、他の機能を持つ基板との一体化という要求に応えるものだ。プロトコルライセンスでは、sakura.ioの仕組みをソフトウェアとして組み入れる要求に対応する。
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