パネルディスカッションでは、スマートマニュファクチャリングモデルとして先行した「RAMI4.0※)」の意義などについてのやりとりが盛り上がりを見せた。
※)関連記事:インダストリー4.0がいよいよ具体化、ドイツで「実践戦略」が公開
横河電機の小田氏は「RAMI4.0は、標準化の議論をする際に、どの領域について議論しているのかという意味では使いやすいモデルだと考えている。しかし、議論の題材であってRAMI4.0そのものが何かを示しているわけではないという認識だ。バリューチェーンなどを考える場合にはこのモデルは弱い」と述べている。
アズビルの石隈氏も「基本的にはポジティブに見ている。考える要素が何かを示してくれている。基本的には『what』は書いてある。ただ『how』の部分はないのでそこが議論の領域だと捉えている」と語る。
三菱電機の茅野氏も「RAMI4.0は使いやすい。国内のプラットフォームプロジェクトを考える場合でもバッティングする場所や連携する場所など、争点になる領域を整理しやすい」と述べる。
一方で、ネガティブな反応だったのが日立製作所の小倉氏である。小倉氏は「基本的にはネガティブに捉えている。ドイツは物事にこだわりすぎており、本質的なモノが見えていないように感じる。重要なのは工場の中だけでなく上位のシステムとの連携などの領域で、その当たりの議論が不十分だと感じている」と考えを示している。
IVIが提案した「IVRA」については、アズビル石隈氏は「IEC TC65では話題となっている。どういう目で標準を見ているのかというバリエーションとして捉えられており、ユニークな存在だと見られている」と述べる。
ただ、既にさまざまな活動が進んでいる、インダストリー4.0などの動きに対し「IVRAでも早期に具体的な技術の議論に持っていくことが重要だ」(日立製作所 小倉氏)という声も出ていた。
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